朝の音

 

・春の風記憶を照らす光かな

 

五時にはまだなっていなかったでしょう。
雀の声が聞こえています。
少し遠くで鶯の声。
まだホー ホケキョ
と鳴ききってはいませんが、
鳴きはじめに比べると
だいぶましになってきたようです。

 

・田仕事をこころ待ちする四月かな  野衾

 

きょうは曇り

 

・よく見れば同じ色なき桜かな

 

満開の桜はすばらしいですが、
風に吹かれほろほろくるくると散る花びらは、
それはそれで風情があり、
つい立ち止まって見とれてしまいます。
新しい年度が始まりました。
どんな出会いが待っているでしょう。

 

・寝て覚めてまだ眠りたき三月尽  野衾

 

ことばとこころ

 

・光浴びきらり静かの桜かな

 

いよいよ四月に入りました。
日曜日のきのう、
近所のりなちゃんの家に届け物があり、
家人とふたりで出かけ、
明るい居間で
ゆるりとお茶の時間にひたらせていただきました。
りなちゃんが英語の発表でつかったポスター
‟My SOUL FRIEND Mr. MIURA”
を見せてもらい、
話をしているうちに
だんだん気持ちが明るくなっていくようです。
その後も、
ジョージ・ベンソンやマーク・ノップラーのCDをかけ、
音楽のはなしに興じ。
その後、
りなちゃん、ママ、家人と四人でサクラヤさんへ。
久しぶりに
あかねさん、ひでさんとおしゃべりし。
夕刻、
サクラヤを後にし、
四人で御殿山までいっしょに歩きました。
会話はことばで行いますが、
ことばを通じてのこころがありがたく、
息が深くなるようでした。

 

・休日の仕事を終へり桜かな  野衾

 

 

・弁当にひとひら来たる桜かな

 

あちこちの桜が満開です。
朝の出がけに、
下を走る高速道路を挟んだ向こうの丘を見やれば、
今が盛りと桜が咲いています。
暖かくなったせいか、
少しかすんで見えるのも
かえって風情があるようで。
昼は、
弁当持参で
会社近くの掃部山(かもんやま)公園へ。
先日、
「花曇りブルーシートとベビーカー」
の駄句をここに掲載しましたが、
まさに
ブルーシートとベビーカーが
青空と桜に彩りを添えています。
今週いっぱいが見ごろでしょうか。

 

・春の宵かつて馴染みの灯りかな  野衾

 

 

・菜の花やとりまく人ら声弾む

 

朝、出かける用事がない場合は、
だいたいわたしがいちばん早くに出社します。
だれもいない社に入り、
灯りのスイッチを入れ、
コートと帽子をロッカーに、
ブラインドを開けパソコンのスイッチを入れます。
夜のあいだにファックスが届いています。
どの本の注文でしょうか。
音楽のない音楽。
一日の始まりです。

 

・青と黄と子らの歓声花万朶  野衾

 

もぎり

 

・地下道を抜けて吹き来る桜かな

 

「(もぎる人の意)劇場・映画館などの切符係の俗称」(広辞苑)
昨日のことです。
今週末31日(土)に開催予定の
『鎌倉アカデミア 青の時代』上映の打ち合わせに訪れた
大嶋監督と話し合いをしていた折のこと、
監督が「もぎりは四階ということで…」
とおっしゃった。
それを耳にしわたしは、
「もぎり? なんですかそれ?」
監督「え?」
「もぎりってなんですか?」
「三浦さん、うそでしょ。もぎり、知らないんですか?」
「はい。初めて聞いた」
「え。え。え!?」
と驚きの様子を隠せぬ監督。
「もぎり、もぎる、ってなんだか秋田弁的臭いがするなぁ」
てことで、
さっそく無明舎出版『秋田のことば』を調べるも、
どうやら秋田方言でもない。
れっきとした共通語のようなのだ。
社内見渡してみると、
みなさんもぎりを知っている風。
もぎりを知らないのは、
わたしひとりなのでありました。
劇団にも入っていたのに、
なんでこれまで知らずに来たのか、
不思議。
五木ひろしの歌に
「契り(ちぎり)」っていうのがあったが。

 

・ここまで来たれ平安と春の雨  野衾

 

再会

 

・鶯やけふより鳴きぬ閨の外

 

人にでなく本に。
『足の汚れ(沈澱物)が万病の原因だった』
官有謀(著)
1986年に初版が刊行されており、
増刷に次ぐ増刷で、
現在なんと100刷を超えているとか。
1986年といえば、
わたしが高校の教員をしていた時期で、
同じ陸上部の顧問だったM先生がこの本を貸してくれたのでした。
新書判のカラフルな装丁で、
カラフル過ぎて
なんとなく
B級っぽい感じがし、
M先生がせっかく貸してくれた本なのに、
ちゃんとは読まず、
斜めに読んで返した記憶があります。
鍼灸に興味がわき、
実際に施術も受けている身として
このごろ足裏が気になり始め、
この本の装丁をアマゾンで目にしたとき、
すぐに
かつてM先生が貸してくださった本であることに
気が付きました。
今度は真面目に読もうと思います。

 

・場所取りを終えてうつらと花万朶  野衾