独擅場

 

山本健吉『底本 現代俳句』を読んでいたところ、
独擅場という単語に「どくせんじょう」
とルビが振られており、
文脈から考えて、
独壇場「どくだんじょう」のことに思われ、
疑問がわき、
さっそく調べてみると、
「擅(せん)」は、
ほしいままにするという意であり、
「擅(せん)」を「壇(だん)」と誤ったことから
独壇場の語が生じたとのこと。
なので、
正しくは「独擅場(どくせんじょう)」
知らなかった!

 

・初蝶や夢のうつつに誘はるる  野衾

 

絵葉書

 

Mさんから絵葉書がきました。
「日記が再開し、ホッとしました」
淡い色彩のカンディンスキー《二本の線》
好きな画家谷内六郎の絵をほうふつとさせます。
Mさんは今年に入り、
勤めていた業界紙の会社を辞し、
図書館などに納める本棚をつくる会社に転職しました。
本つながり?
あいさつに来られたとき、
しずかなもの言いのなかに、
潔さと決意のほどが感じられ、
応援したい気持ちでいっぱいになりました。
絵葉書をもらって、
ぼくもホッとしました。

 

・菜の花や生態系の森うごく  野衾

 

出社

 

体調不良のため、
しばらく会社を休んでいましたが、
少しずつ快方へ向かっているようなので、
午後、
小ぶりの雨の中、
足下に気を付けながら出かけました。
ホームのベンチで電車を待つ時間、
桜木町駅を出、
一度エスカレーターで地下へ下り、
地上へ上がり、
読み方をずっと分からずにいた魚伊之。
まえとおんなじ、
…でもないような。
着いたら、
傘を広げて乾かさなければ。

 

・指折りて日数かぞへりつゝじかな  野衾

 

アリ

 

自宅をでて左手、
ゆっくり二分も歩けば小さな公園があります。
そのわずかの時間の小道は、
もともと崖のふちであったからか、
短いながら野趣があり、
ときどきリスやタヌキが出没します。
小鳥も啼いています。
ゆっくりしずかに歩いていると、
歩くスピードに反比例して
いろいろな生き物の数が増していくようです。
そんなことはないはずなのに、
それだけふだん見過ごしている
ということなのでしょう。
よく見ると、
風がないのに、
ごみのような葉の切れ端が
大海に浮かぶ小さな帆掛け船のように
揺れ動いています。
アリが強い顎でくわえ運んでいるのです。
そこまで近づくと、
あっちもこっちもアリアリアリ。
こわい歯医者に行ったときの、
みがき残しの葉の検査を思い出してしまいます。

 

・公園の藤棚ひとつ吾もひとり  野衾

 

ウグイス色

 

朝早くからウグイスがいい声で鳴いています。
声の調子を探っているようでもあり、
だれに聴かせるでもなく
みずから聴き惚れているようにも聴こえます。
ところで、
ウグイス色という色がある
ぐらいですから、
ウグイスはウグイス色か
と思ってきましたが、
メジロのほうがウグイスよりも
ずっとウグイス色なのでした。
エライひとが
どこかで間違えてしまったのでしょうか。

 

・鶯や声に澄みゆく空の青  野衾

 

八重桜

 

還暦を期するかのように
体調をくずし、
自宅療養を余儀なくされました。
どうふるい立たせても、
この日記を書く気力すら失せ、
とつぜん中断し、
お問い合わせやお見舞いの言葉を
いただくことになりました。
すこしずつ元気を取り戻したい。
おこころづかい、
ありがとうございました。
さて今後のことですが、
このページのタイトルに反することになりますが、
しばらくは、
不定期ということで、
お目こぼしいただければ幸いです。

 

・病身の吾のうへ近き八重桜  野衾

 

朝の音

 

・春の風記憶を照らす光かな

 

五時にはまだなっていなかったでしょう。
雀の声が聞こえています。
少し遠くで鶯の声。
まだホー ホケキョ
と鳴ききってはいませんが、
鳴きはじめに比べると
だいぶましになってきたようです。

 

・田仕事をこころ待ちする四月かな  野衾

 

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