ぶり返し

 

・顎引いてそろりそうろりキリギリス

 

今月に入って早々に風邪をひき、
一週間ほどで治ったと思っていたところ、
また風邪をひき、
同じような症状なので、
これいわゆる
ぶり返し。
喉が痛く、微熱があり、体がだるい。
そうなると、
好きな本を読む気にもなれず、
ただおとなしく
寝ているだけ。
鼻水が収まり、
痰も切れたので、
いくらなんでも治ったでしょう。
が、
ぶり返しならぬ
ぶりぶり返しにならぬよう要注意!

写真はひかりちゃん提供。

 

・秋高し黒四点の烏かな  野衾

 

稲刈り

 

・薄青き空はおとなし虫集く

 

台風の影響から、
なかなか予断を許さないところがありましたが、
秋田のわが実家では、
この土日あたりに稲刈りを行うようです。
昨年に比べ数日の遅れ。
父八十六歳、母八十二歳、
田仕事は今年が最後となります。
農家の長男に生まれながら、
家を離れて四十年、
都会暮らしがずっと長くなりました。
が、
季節のめぐりに合わせ、
思い出すのは
ふるさとの山、川、空、
そして、
実った稲穂が風に揺れる光景です。
思い出すだけで
息が深くなる。
さしずめ水元公園の桜を思い浮かべる寅さんのようなもの。
無手勝流の俳句を始めて十年になりますが、
それだって、
ふるさとへの思慕のなせる業か
とも思います。
やはり、
ふるさとは、
遠くにあると想うよな~。

 

・公園の夜を賑はす虫の声  野衾

 

若き才能

 

・目的を失くすまいぞえ鰯雲

 

雨のそぼ降る17日の日曜日、
みなとみらい
ランドマークプラザ一階の
「サカタのタネガーデンスクエア」
にて、
神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサートがありました。
料金ダータ!
指揮は神奈フィル副指揮者の
阿部未来さん。
二階通路から見聴きしましたが、
始まる前の立ち姿から決まっていて瞠目。
わたしはだいたい、
日本人の指揮する姿を見ていると、
なぜか
見ているこっちが
恥ずかしくなり、
サブイボを生じさせてしまうこと
しばしばなれど、
未来さんの指揮は、
彼がどんなに大きな動きをしても、
サブイボは一度も発生せず。
素人目ながら、
動きに必然性を感じたからでしょう。
演奏者との間の
見えない糸が見えるようでもあり、
若きすばらしい才能に触れ
ありがたく
うれしく、
久しぶりに
こころから感動しました。
彼が秋田出身であることにも吃驚。
野生と気品が充ちています。

 

・古傷や骨に染み入る背の秋  野衾

 

丸定

 

・鉄錆の線路どこまで猫じやらし

 

野毛の福家さんに最低でも週に一度、
多いときはまるまる五日
足を運び、
泥鰌鍋を注文します。
元気の素、
活力源。
泥鰌鍋には
泥鰌を割いた割き定と
泥鰌を丸ごと煮た丸定があります。
定は定食の定。
十年以上割き定を食べてきましたが、
ひょんなことから丸定を食し、
爾来丸定に嵌った次第。
泥鰌丸ごとですから
頭もついており、
必然小骨もあるわけですが、
カリカリと噛み砕けば
カルシウム満点。
子どものころ食べた泥鰌の味がにわかに蘇ります。
ところで。
どじょうをドジョウでなく
泥鰌と書いたせいか、
漢字が多くなって
黒々した記述になりました。
なおかつ。
きょうのこの話題、
前に書いたような…。
いや
「ような」でなく
前に書いたことがありました。
記述のニュアンスが
おそらく少々違っているということで、
乞うご勘弁!

 

・風に揺れこつちこつちと猫じやらし  野衾

 

ヤンバルクイナ

 

・雪隠の水漏れに和す鉦叩

 

このごろテレビで見るものは、
旅番組に自然観察。
きのうはNHK・BSプレミアム
「ワイルドライフ」
沖縄島北部に生息するヤンバルクイナを取り上げていました。
画像がきれいで、
見るともなく見ていたら、
オスがエサを探してメスにやり、
その後メスを追いかけ背中に乗っかり
交尾成就。
アハハハハ、
まるでニンゲン。
動きがせっかち、
容姿美しく飛べない鳥。
それにしても。
ファーブル昆虫記から始めて
あらゆる動物の生態を
知れば知るほど、
だれに教わったわけでもないのに、
複雑で細密、
繊細な行動をとるものが多く、
なんとも不思議。
不思議が多すぎて当たり前になっているだけ。
本能といったって、
何を説明しているわけでもない。

 

・築二十年厠ほころぶ秋の暮れ  野衾

 

目の運動

 

・秋の日や読み来たる跡付箋立つ

 

仕事がら、
終日細かい文字を追うことが多い
わけですが、
午後四時ごろともなると、
文字がかすんで
すこぶる見えにくくなります。
朝起きだてからずっと
文字を睨んでいますから、
仕方ないのかもしれません。
そうか、
疲れたか、
こころで目に話しかけ、
社員に気づかれぬようしばし
目の運動。
まず寄り目運動。
鼻尖にぐっと両目を引き寄せ一秒、二秒、三秒、…。
それからおもむろに回転運動。
右に十回、
左に十回。
さらに一分間ほどの瞑目。
そして。
パッと、開く。
ああ、
世界が明るくなったよ!
さてと、
もうすこしやるかな。

 

・独り居の廓の音の秋に染む  野衾

 

過客

 

・蜻蛉(とんぼう)の来て留まりて去りにけり

 

家人の母は旅行が趣味。
国内、海外を問わない。
今回は、
青春18きっぷをつかって
秋田・青森の温泉を巡ってきた。
昨夜は横浜の拙宅泊まり。
旅のエピソードに耳を傾けていると、
まずそのフットワークの軽さと行動力に驚く。
そして、
土地土地のひとに自然に語りかけ、
会話を楽しみ
しなやかに旅を楽しんでいる
ことがよく分かる。
このごろ俳句をものしており、
俳句歴は浅いが、
俳号は過客。

 

・おなもみとめなもみたずぬふるさとの  野衾

 

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