三葉虫!?

 

日が短くなりまして、
保土ヶ谷の自宅に着くころには
とっぷりと暮れています。
細い路地を曲がり一段一段上っていましたら、
足下に生き物の骨のような…。
三葉虫の化石に見えないこともない。
ということで写真を一枚。

・カスタネットの喉鳴らしをり秋蛙(かわず)  野衾

 

爽やか

 

秋の時候の季語として「爽やか」があります。
子季語は
「爽気」「秋気」「爽涼」「さやけし」「さやか」
そんな季語の当てはまるような日が
このところつづいています。
先週金曜日の夕刻、
いつも通る細い道で蛇を見つけました。
暗かったので
生きているのか死んでいるのか
見分けがつきませんでした
が、
昨日そこを通ると
見覚えのある形のままでした。
穴に入る時機を逸してしまっているうちに
いのちが尽きたのかもしれません。

 

・かなたなる絶海孤島冷まじき  野衾

 

根を育てる

 

九月一日に行われた対談
「本づくりの根 赤羽―鎌倉―桜木町」
の模様が
図書新聞に掲載されました。
コチラです。
根は土のなかにありますから、
ふだん目に見えません。
が、
根が育たないといのちは枯れてしまいます。
根のある本づくりについて
鎌倉にある出版社港の人の代表・上野勇治さんと考えてみました。

 

・心配はあれどもしばし空の秋  野衾

 

刈田

 

稲刈りの終ったあとの田んぼは
子どもたちにとって最高の遊び場でした。
弟といつも遊んだ。
軟式テニスのボールと太い棒があれば、
ふたりでも野球ができた。
三人以上なら言うことなし。
子どもは
じぶんたちに合ったルールをその場でつくる。
ぽーんと
ホームラン級の球を打って
田んぼのグラウンドを走るとき、
ひろびろとした空と秋の山々が目に飛び込んできた。
日の暮れるのも忘れて夢中になった。

 

・勝つに勝ち方負けに負け方鰯雲  野衾

 

頭に風

 

保土ヶ谷橋の交差点にJUNという床屋がありまして、
二週に一遍はそこで頭を刈ってもらいます。
二週に一遍は多すぎる
気がしないでもないですが、
1ミリの電動バリカンでウィーンと刈るだけ、
ひげは剃りませんから、
客が空いている時間だと10分で完了。
料金1200円。
刈ったあと外へ出ると、
頭皮に風を感じます。
それがなんとも心地よく
このごろ病みつきになっている。
そんな具合です。

 

・交差点渡りて秋の床屋かな  野衾

 

あいさつ

 

*俳句は、即興、挨拶、存問、消息のうただといわれます。
「お暑うございます」「お寒うございます」
という、
いわば季節季節の挨拶、それが俳句の根本義だ、
ということになります。
そこからすっと
秘密の風が吹いて来るような、
なにか
そんな実感をおぼえます。*
上の文章も、
『NHK俳句入門 飯田龍太 俳句の楽しみ』(日本放送出版協会)
からのことば。
秘密の風。
あいさつは、ひとにするだけでないと。
そうか。

 

・のそり来て秋を横切る野良の猫  野衾

 

三尺の童

 

*二、三年前、新聞のコラムにこんな記事が出ていました。
ある小学校で先生が、
「氷が解けると、なんになりますか」
と質問したところ、
おおかたの生徒は「ハイ、水になります」
と答えたという。
ところがそのなかでひとりだけ
「春になります」と返事したというのです。
氷が解ければ水になる、という答えもまさに正解、
その通りにちがいありませんが、
「春になります」という答えのなかには、
大人には思いつかないような無垢な童心が宿って、ほのぼのとした詩情さえ感じられます。
しかもこの言葉のなかには、
寒気きびしい地方の風土感さえ含まれている
ように思われるのです。
芭蕉のいう「三尺の童にさせよ」という言葉の真意も、
このようなところにあったのではないでしょうか。*
上の文章は、
『NHK俳句入門 飯田龍太 俳句の楽しみ』(日本放送出版協会)
からのことば。
肝に銘じておきたいと思います。

 

・くびれ持ち僧が旅する瓢(ひさご)かな  野衾

 

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