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新しさ

 

・台風過江ノ島牙を隠しをり

山口誓子の『誓子俳話』(昭和47)を読んでいたところ、
この本は、
新聞や雑誌に発表された短文
を集めたもので、
言いたいことをずばり語っているせいか、
わかりやすく面白いのですが、
誓子先生、
この本の中で
自分は有季定型でいく
ということを各所で強調しています。
尾崎放哉の
「わがからだ焚火にうらおもてあぶる」
を、
自分なら
句をゆさぶって、
「わがからだ焚火にあぶるうらおもて」
とすると。
そして、
こうも言い放ちます。
「ただ新しいのが新しいのではありません。
古くて新しいのが本当に新しいのです。」

・喧嘩してほらこれやるよ青蜜柑  野衾

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青大将

 

・病み上がりとりあえず行く秋を見に

三連休の初日、
快晴というわけにはいきませんでしたが、
雨はなく、
今だとばかりに
家人と近くの児童遊園へ。
三十分ほどで着きますから、
散歩にはもってこい。
広々としていて、
ほどよく整備し過ぎず、
人も多くなく、
池あり、木々あり、ベンチあり。
鳥、虫、獣、
若冲さんも喜びそう。
体調がすぐれなかった時も、
けっこう通って
気を晴らしたものでした。
帰途、
大きな青大将に遭遇。
わたしが指差すと、
家人固まる。
そばにいた老人、
声を聞きつけはせ参じ、
孫に蛇を見せようとするも、
孫はおじいちゃんの股にくっ付き、
後ろから恐る恐る。
山口誓子の句に、
「全長のさだまりて蛇すすむなり」
があります。

・秋の日や行き場なくして雨宿り  野衾

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風邪っぴき

 

・悔しまぎれの季節先取り風邪っぴき

いやあ、
風邪で二日も会社を休んでしまいました。
全国五十万人の「よもやま」愛読者の皆様、
勝手に休んでごめんなさい。
火曜日の夕方からだるくなり、
水曜日は、
総合感冒薬を服用し一日おとなしく寝ていたのですが、
どうもさっぱりよくならない。
木曜日のきのうは、
体に鞭打ち近くの医者で診てもらい、
解熱剤やら抗生物質やら何やらをもらい、
まじめに服用したら、
やっと「ふつう」が戻ってきました。
やっぱり「ふつう」が一番!
え!
なんですか?
おっと。
すみません。
「よもやま」を読んでくださっている方は、
全国に五十万人もおりません。
五百人ぐらいかな。
お詫びして訂正いたします。
さてと、
今日はこれから会社に行きます。

・風邪っぴきただぼんやりとジャパネット  野衾

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新井奥邃著作集

 

・水たまり秋を映して揺れにけり

このところ、
新井奥邃著作集の注文が重なり、
不思議なこともあるもんだと、
驚いたり喜んだり。
きのうも、
兵庫県のある会社の社長さんから電話注文がありました。
秘書によると、
第一巻を除く九巻は、
すべてアマゾンから取り寄せたが、
第一巻がほしいと。
講話か読書会でつかいたいのだとか。
新井奥邃著作集を用いている大学院生の論文を、
つい先だっても読んだばかり。
ブーム到来か。
にしても遅い。
だってもう本がない。
でも、
うれしい!

・垣根越し灯下団らん虫集く  野衾

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初音ミク

 

・東海道リレーでつなぐ虫の声

初音ミク「マジカルミライ 2016」
をテレビで見ました。
ライブ会場の盛り上がりも大したものですが、
初音ミクの動きに感動。
遠目で見たら、
なまのニンゲンとしか思えない。
いやあ、
念が強くなって、
ついに、
こんなものを存在させてしまった、
みたいな…。
負の念が、
お岩や幽霊を
おびき出すようなものかな。
初音ミクは正の念。
けっきょくこういう系が好きなんだな、
きゃりーとか。
きゃりーはまぁ人間だけど。
電気的な音もいいし。
だいたい
ほんとのニンゲンじゃないから、
登場も退場もいたって簡単、
着替えも瞬時で
楽!
舞台の最後、
空中に大きなピンクのハートを描いて
スッと消えた!
かっこよかったぁ。
オヤジ萌え!

・宵闇を青く澄ますや虫の声  野衾

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。