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雉始雊

 

・初日の出待ちて眠らぬ夢見かな

一年を七十二に分類した七十二候のうち、
今週は六十九候の雉始雊。
きじはじめてなく、
と読むそうです。
ケーン、ケーンと、
空気をつんざくような高い声です。
秋田にいるころ、
家の近く、
また、
高校のある高台でも
聴いたことがあります。
横浜ではさすがに聴きません。
しかし、
こんな寒い季節ではなかった気がします。
もう少し暖かくなってから、
孤高のあの声を聴いたのでした。

・新年の川の流れの飛沫かな  野衾

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日なた

 

・切り株や冬田に雀一羽無し

いよいよ寒くなりまして、
ここ横浜でも最低気温が三度、二度のことあり、
もはやホッカイロが手放せません。
背中に二枚貼ったりもし。
昼、
桜木町駅そばのココイチで
カレーを食べました。
会社へ戻るのに、
近道の交差点を渡って歩き始めたところ、
日陰になっており、
その寒いこと寒いこと。
遠回りでも、
急ぎ陽当たりのよい道へ。
寒い季節だけに、
陽の温さのぽかぽかがたまりません。

・切り株に雪うっすらの淑気かな  野衾

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プカプカ?

 

・新年の川の流れの迸る

イシバシネタを。
この欄を読んでくださっている方は、
ご存知のことと思いますが、
きょう初めてこの欄を読まれる方が
ひょっとしたらいるかもしれないので申し上げると、
イシバシは弊社の女性専務であります。
「石橋」なのですが、
抽象性を持たせ、イシバシと。
さてそのイシバシ、
先週末のことになりますが、
若き社員に荷物の発送を頼むとき、
「ちゃんとプカプカにくるんで傷まないようにネ」
と指示していました。
「はい」と若き社員。
わたしは黙って聴いていましたが、
間違いを指摘しないではいられず、
「プカプカってなんだよ。水に浮くわけじゃあるまいし。プチプチでしょ」
「そうそう、プチプチ」
若き社員もきっと分かっていたでしょうけれど、
あえて指摘せずに指示に従ったのでしょう。

・厠出づ連山白き淑気かな  野衾

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町工場

 

・早朝を車中女人の寝息かな

『石巻片影』ジャケット印刷立ち合いのため、
東武亀戸線小村井駅へ。
依頼している印刷所の下請けで、
社名に美術印刷の名称が冠されており、
かつて仏像のカラー写真集なども制作していた。
そのことを、
担当の方から写真集を見せていただいて
知りました。
工場で働く方々の立ち居振る舞い、
会釈、あいさつ、
ひとつひとつの動作が生きており、
見ていて気持ちよく、
はつらつさが
こちらへ伝わってくるよう。
朝早く起きてきてよかったよかった。

・印刷所好き音すなり輪転機  野衾

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新年

 

・風邪癒えてすることも無し午後三時

冬休みが十一日ありまして、
こころも体も頭も
すっかり休んだ関係上、
仕事始めはなんとなくぼんやり過ごしましたが、
二日目となるとそうもゆかず、
届いた三校ゲラのチェックやら、
直しの指示やら、
追加原稿の確認やら、
新しい仕事の原稿読みやらで、
らしく新年の
仕事モードに切り替えられた気がします。
わたし個人だけでなく、
会社として、
休めるときはたっぷりと
休みたいと思います。
集中した仕事をするために!
今日はこれから
『石巻片影』ジャケット印刷立ち合いへ。

・新年を徐々に仕事に慣れにけり  野衾

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。