無明舎出版の社主である安倍甲(あべ はじめ)さんのブログをよく見るのですが、
七月九日は「湿気」について書かれていました。
梅雨の時期に寝つきが悪くなるのは、
暑さよりも湿気によってからだのコントロール能力が奪われるから
と教えられ、
それをご自身でも実感したとの内容でした。
いま、朝の読書はもっぱらトゥーキュディデースさんの『戦史』
でありますが、
岩波文庫の下巻を読んでいたら、
シケリア島のアテーナイ側陣営が置かれている地域が沼沢状態を呈し、
それもあって兵士らが疲弊していたことについて、
久保正彰さんが訳注に、
こんなことを書かれています。
季節、水質、立地条件が人体に及ぼす決定的影響については、
当時のヒッポクラテースの医学書『空気、水、地域』が説いている。
ことに沼沢地帯の害は、同書七節に詳しい。
史家(=トゥーキュディデースさん)もこれをよく知っていたと考えてよい。
シケリア島南部は、パピルス草が自然繁茂する亜熱帯気候であり、
夏季は酷暑、沼沢地にはマラリアや消化器官の障害が、多々生じえた。
(トゥーキュディデース[著]久保正彰[訳]『戦史(下)』岩波文庫、1967年、p.444)
ヒッポクラテースさんは、トゥーキュディデースさんと同様、
紀元前460年ごろの生まれ。
湿気が人体に及ぼす影響について、すでにそのころ気づいていたことに、
ちょっと感動を覚えまして。
梅雨明けまで、あと少しありそう。
きのうも、エアコンを除湿に設定し眠りにつきました。
ですので、けさも快適。
・連れられてはぐれし海や夏帽子 野衾