天才少女

 ポーンとポン 音でお話できるんだ!!
 近所のりなちゃんとサクラヤさんで会いました。りなちゃんは天才です。どう天才か、それを話すと長くなりますので、しませんが、天才であることはまちがいありません。
 りなちゃんは、トコトコ歩いてきました。そばに木の切り株をイスにしたものがあって、りなちゃんが腰掛けるのにちょうどよい高さだったので、どうぞ、と勧めました。りなちゃんは、木の切り株のイスにチョコンと腰掛けました。
「りなちゃん、ジャズがすきなんだって」
「うん。すきなCDに、りなマークがついているの。りながこれすきっていうと、ママがしるしつけてくれるの」
「ふーん」
「おおきくなったら、いろいろなりたいものがあるんだけど、ジャズピアニストがいちばんなりたい」
「へー。そうなの。ジャズって、アメリカのこくじんがはじめたおんがくなんだよ」
「でも、がっきはどこのくにでもおなじでしょ。ポン、ポン、ポン」
「そうだね。それでひろがったのかな。ポン、ポン、ポン。いまは、せかいじゅうのひとがジャズをやるし、きくよ。でも、くにがちがうと、おなじジャズでもすこしちがってくるよ」
「うん。ポンポンポン」
「おいちゃんはピアノができないけど、できるとして、おいちゃんとりなちゃんは、にほんじんだけど、ふたりがおなじきょくをひいても、それはまたべつのおんがくになるんだ」
「うん。ポンポンポン」
「そうそう。おとでおはなしもできるんだよ。ポンポンポン」
「ポンポンポン」
「ポンポンポーン!」
「ポンポンポーン!」
「ポンポーンポン!」
「ポンポーンポン!」
「ポポポポポポン!」
「ポポポポポポン!」
「おもしろいでしょ」
「うん。ポン!」
 と、ひとしきり。時のたつのを忘れてしまうほどでした。ポンポンポン。
 りなちゃんは、今月小学一年生になったばかり。

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紫煙

 カレンダーの花見て我も小りきんだ
 わたしもかつて喫っていたので、好きなタバコを食後などに喫いたい気持ちはわかる。アタマでは分かる。
 が、食べ物屋で、他の客がいることなど我関せずな無神経なツラをして、プカプカプカプカ喫っている野郎、馬鹿女どもを見ると、無性に腹が立つ。店が許しているのかもしれないが、俺が許さない。バブル期でもないのに、ばかばかばかばか喫いやがって、この馬鹿どもがっ!!
 昨日はとうとう、口を突いて出てしまった。人の迷惑をかえりみないやつらだな、ったくよー。店の手前、大声で怒鳴りはしなかったが、もう少し、他の客のことを考えられないものか。
 タバコといえば、新幹線。カメラマンの橋本さんと出張で岡山へ行った帰り、席が取れずに、喫煙車になった。なってしまった。そうしたら、われわれ以外のほとんどが、今だと言わんばかりに馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿喫いやがって、それも2、3本ならともかく、チェーンスモーキングで馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿喫いやがって、本当に馬鹿野郎なのだった。
 おいらはハンカチを口に当て横浜までずっと防毒し、橋本さんはデッキに逃げた。
 新幹線の喫煙車輛の空気は紫に変色している。ほんと。

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好きが一番!

 がに股の割り箸を落つホタルイカ
 『ガラスの文明史』(仮題)の著者、来社。長くガラスにかかわる仕事をしてこられた方で、仕事を通じてガラスの世界に魅せられ、これまで数冊の本と多数の論文を発表されている。今度小社から出すことになる『ガラスの文明史』は、ガラスの観点から見た世界史。四大河文明もアレキサンダーもローマ帝国も、およそ学校の世界史で習った用語はほとんど登場する。ガラスは高温で変容するが、歴史のうねりによっても変成作用をうける。ヨーロッパのガラス工場がなぜ森の中にあるかというのも、この本の一つのキモだ。
 著者は現在78歳。13日からガラスの取材がてらイタリアを旅行するという。
 『たのしいジャズ入門』の著者・寺島靖国さんは、オーディオ熱が嵩じて、家の近くに個人用の電柱(!?)まで立てた。それによって、オーディオの鳴りがちがうというのだが、真偽の程はわからない。でも、これも元気の出る話。寺島さん、70歳。
 師匠竹内敏晴は今年82歳!(かな? だったと思います。ちがっていたらゴメンナサイ!)からだをつかうワークショップに東奔西走の日々を送っている。お願いすれば、逆立ちまでしかねない勢いなのだ。
 人間、好きが一番! ね、ナイ2君。マーク・レビンソンのアンプか〜

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10年

 ワシントン賢治も集ふ桜かな
 トイレで用を足しながら、こう考えた。10年といえば、桜三月、うきうきドキドキで小学校の門をくぐった新入生が高校2年生になるということか。
 会社はどうだろう。自宅で会社を始めたのが、つい昨日とは言わないけれど、高校2年生が、母に連れられて歩いた小学校の入学式を思い出す時間とは比べるべくもない。
 ラヤ・サクラヤのあかねさんから、かつてわたしは木のテーブルをいただいた。会社を起こす前だ。気に入って、毎日この日記も木のテーブルに向かって書いている。
 昨日、あかねさんから無垢の木を磨くワックスをいただいた。無毒、無害、無臭。
 夕食後、さっそくテーブルを水で拭き、乾いた後にワックスを塗って磨いた。しっとりと、いい感じになった。
 会社には、足柄山まで出向いて作ってもらった木のテーブルがある。作ってくれた仏師さんは、もういない。
 こっちも、みんなでワックスがけだ。

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こりきんだ

 春の虹降り来る吾子の三輪車
 哲学者・西田幾多郎の評論集を校閲していて、つぎのような文章に出くわした。
 此頃のような春の日であって見れば、野は一面が緑となり所々に名も知らぬ小さき花が咲き揃い、昼はこりきんだ雲雀が青空をけって転づるのも爽快であるが、夕に穏なるなつかしい月がぼんやりと山の端にかかって居るのは何ともいわれぬ景色である。
 全体としては春の情景を描写したもので、とくにわかりにくい文章ではない。ところが、何度読み返しても分からない言葉がある。「こりきんだ」。なに、こりきんだって? こりきんだこりきんだこりきんだこりきんだこりきんだ…。助動詞か?
『大辞林』を調べてみたが、出てこない。ふむ。栗きんとんみたいなもの? それとも、おしゃまんべ。北海道の地名でおしゃまんべ、というのがある。その付近の地名だとか? コリアンダーは関係ねーしな。芋ヨウカン? ちがう。ははは…。語のひびきからだけの連想です。ふむ。冗談はさておき、いずれにしても、意味が通じない。出身地金沢の方言でもあるまいし…。
 どうにもこうにも考えあぐね、同じ著者のものを以前担当したことのある編集長ナイ2に聞いてみた。するとナイ2、前にもこの文章を見たことがあるという。やっぱり悩んで、岩波から出ている『西田幾多郎全集』にあたってみたそうだ。エラい!! その結果、誤字でなく、やっぱり「こりきんだ」となっていた。そこでナイ2、著者にも確認し、それが「小りきんだ」であることを知った。
 小さく力むで「こりきんだ」か。程度が軽い意味の「小」ね。「小降り」「小競り合い」「小突く」などがある。でも、小りきむなんて言うか。少なくとも、わたしはこれまで聞いたことがない。
 でも西田先生のことだ。ひばりが青空をけって転ずる姿が「小りきんだ」ように見えたのだろう。一件落着。

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Raya Sakuraya

 賢治来て四次元銀河の桜かな
 わが社のAD多聞君のお母さんがやっている「ラヤ・サクラヤ」が本日、新装オープンなります。昨日、さっそくお花を持って訪問しました。
 店内に入って驚くのは、バーンと広くなったこと。間仕切りなどなく、全方位見渡せます。それだけで、なんだか気持ちよくなります。
 左手の壁には、木彫りの大きな大きなブッダの顔。カウンターも出来ていたので、椅子に座って、木のカウンターをなでてみました。頬ずりしたくなる、なんとも言えない心地よさ。しばらくいると、ここが日本であることを忘れてしまいそうです。
 今月26日には、南インド古典音楽のライブがあるそうです。
 外の桜は過ぎましたが、お店の中は満開です。
*下の写真は、お店に置かれている木彫りのブッダ

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桜

 野鳥来て枝を揺すりし桜かな
 今、窓から向いの丘を眺めると、あちこちに桜が咲いています。先週の土・日が満開と言われていましたが、散らずに、結構がんばっています。
 このごろは、とくに花見と称して出かけることはありませんが、ふつうに用事で歩いていても、思いもしないところに桜が咲いていて、しばし立ち止まり眺めています。
 下の写真は、先日、上田薫先生宅を訪問した帰り、オペレーターの米山さんに案内されて歩いた善福寺川べりの桜です。一緒に食べた銀鱈の粕漬、美味かったぁ!!

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