季節の恵み

 

秋田のわたしの実家では、おととい、稲の種蒔きが終りました。
種蒔きの「蒔」は、
くさかんむりに時(とき)。
まさに蒔くに時があり、ということになるでしょうか。
二十四節気では先週金曜日、
19日が穀雨の始まり。
ことしは、
4月19日から5月4日までが穀雨の期間です。
穀雨とは、
春の雨が百穀をうるおす、の意。
また、
二十四節気とはべつに、七十二候というのがありますが、
それでいけば、
4月19日から24日までは第十六候の葭始生(あしはじめてしょうず)。
葭(あし)は、
葦(あし)のまだ穂の出ていないもの。
葦(あし)・蘆(あし)・葭(あし)はイネ科の多年草。
世界でもっとも分布の広い植物のひとつ
とされています。
この季節のめぐりに思いをいたせば、
じつに巧くできているものと感動せずにいられません。
春の雨が降り、慈雨となって地に浸み込む。
それが百穀をうるおし、
しているうちに、やがて芽を出し始める。
宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)の働きでありましょうか。
『旧約聖書』「イザヤ書」第11章1節には、
「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ。」
とあります。
自然の恵み、季節の恵みを十分に量り知ることは、
人間には不可能な気がします。
きのう『春風新聞』第33号ができました。
写真は「角ぐむ葦」。
どうぞご覧くださいませ。

 

・新緑に古民家カフエの華やぐよ  野衾