アリストテレス

 

プラトンは分かりやすく
はないけれど、
ゆっくり読めばそこそこ分かります。
ところがアリストテレス、
とくに
『形而上学』となるとそうは問屋が卸さない。
2013年から刊行されている岩波書店の
『新版アリストテレス全集』
ですが、
『形而上学』はいまのところ蜜柑、
もとい、未完。
なので、
帰省のための新幹線車中にて
講談社学術文庫からでている岩崎勉訳のものをガシガシ読みはじめ、
読了まであと少し。
ふと考えた。
ヘーゲルの『精神現象学』をふくめ、
なんでいまそっち方面へ気持ちが向いちゃっているのか。
そして、
じぶんのことながら、
なるほどそうか
と思い当たる節がありました。
来月ついたちの日曜日
に予定されている対談のテキストに取り上げた
代田文誌の『沢田流聞書 鍼灸眞髄』のなかに幾度かでてくる、
「東洋では心臓と腎臓をあわせて精神とよぶ」
のことばが妙に引っかかり、
ならばヨーロッパではどうなのだ、
という興味関心が鬱勃として起こったことがそもそもの発端。
とは言い条、
東洋ならば一行で済む話が
西洋になると
どんだけー!
の本が積み重ねられなければならないかと
あらためて驚嘆した次第です。

 

・天蓋や無限にふるる蟬の声  野衾

 

象潟

 

このごろは帰省するたび、
ありがたいことに弟がクルマを出してくれ、
両親ともども
近場の観光地を巡るのがならい。
こんかいは象潟方面。
小学校の遠足がはじめてでしたから、
それから数えるとほぼ半世紀になります。
松尾芭蕉がこの地を訪れ、
かの有名な、

象潟や雨に西施がねぶの花

をものしたことはつとに知られていますが、
石碑には、

象潟の雨や西施がねむの花

となっています。
まだ調べがついていませんが、
石碑にはっきりそう書いているということは、
はじめにつくったのは、
「象潟の雨や~」だったのでしょう。
芭蕉先生のことですから、
推敲をかさね、
いま人口に膾炙する「象潟や~」に落ち着いたものと考えられます。

 

・車窓打つ東海道を夕立かな  野衾

 

大失態

 

それは、起こるべくして起きたことであった。
秋田からの帰り、
東京で用事のある家人と別れ
ひとり保土ヶ谷へ。
駅でしばらくタクシーを待つも
いっこうに来る様子がなく、
ガラガラとキャリーバッグをひいて歩き始めた。
階段ではからだを斜めにして持ち上げ、
汗だくだく。
やっと家の前にたどり着き
ショルダーバッグのポケットに手を入れ、
転瞬青ざめた。
無い!
無い!
カギが無い!
いくら探してもカギが無い!
そうか。
家人がカギをかけ、
わたしは家を出るときすでにじぶんのカギを忘れて出ていたのか…。
どうする、どうする。
トイレには行きたいし、
あたまはパニックになるし、
まずは公園までキャリーバッグをガラガラを引いて歩いて、
何十年ぶりかで暗闇で用を足そう
と思ったら、
角のSさんが旦那さんとふたり犬を連れて散歩していて、
おっとっと。
マンションの管理会社に電話するも、
合鍵は持っていないと言われ、
ならばと、
マンションの割と馴染みのKさんに頼みこんでしばらく居させてもらおうか、
それともあかねさんに電話しようか
あれこれとあたまはめぐり…。
ダメもとで、
ひょっとしたらとりなちゃんに電話。
つながった!
事情を話すと、
「子どもみたいみうらちゃん」
天使の声に思えた。
横浜で勉強して保土ヶ谷へ帰る途中とのこと。
コンビニまで我慢してそこで用を足し、
それからりなちゃんのマンションへ。
パピコをもらって食べたりしているうちに家人からようやく電話。
ほとほと疲れぐったりしつつ帰宅とあいなりました。

弊社は本日より営業再開。
よろしくお願いいたします。

 

・夕立ににはとり右往左往かな  野衾

 

涼風至

 

七十二候ではきのうから三十七候。
すずかぜいたる。
こよみのうえではきのうが立秋。
現実はどうかといえば、
連日の猛暑炎暑極暑溽暑でありまして。
ところが、
例年のことながら、
秋田に帰っていることもあり、
お盆の13日を過ぎる頃からハッキリと風が変わります。
まさに涼風。
同じようでも同じ日はない、
ということなのでしょう。

弊社は明日から15日まで夏季休業となります。
16日から営業再開。
よろしくお願いいたします。

 

・漱石をうつらうつらの端居かな  野衾

 

かっち山

 

わたしのふるさとでは、
村里を離れた奥の山を「かっち山」
と呼びます。
なんでそう呼ぶのか、
本でしらべて
なるほどと合点がいったものの、
さらに疑問が生じ
暗中模索状態でありましたが、
このごろパッと視界が開けたようなことがありまして、
そのことを書いて秋田魁新報に送ったところ、
今週五日の月曜日、
文化欄に掲載していただきました。
コチラです。
想像の域をこえませんが、
こころは時空を超え吉野の宮へと飛んでいきます。

 

・連れ立ちて部活へいそぐ大南風(おほみなみ)  野衾

 

夏艸

 

くさは草と書きますが、
艸もくさで、
艸って書くほうが、
ぼうぼう生えている感じ。
帰宅途中、
家のちかくの階段を上り始めると、
夏艸がしずかにゆっくり風にゆれていました。
ほんと、
きょうも暑かったなぁ!!
で、
なんとなく立ち止まって、
にんげんのことばを知らない
ディープインパクトの薬殺のことがあたまを過りました。

 

・一村の子らを走らす夕立かな  野衾

 

炎暑

 

まさに燃えるような暑さのこのごろ。
寒さや冷たさが度が過ぎて痛くなるように、
暑さも度が過ぎると、
暑いを通り越してひりひりと痛い。
きのうあたり外を歩いているとそんな感じでした。
蟬がさかんに鳴いています。
数日のいのちを終えて
ころり横になっている蟬がちらほら目につきます。
先日、
捕虫網をもった親子を見かけました。
蟬が鳴きはじめた頃でしたから、
蟬を捕獲しようとしていたのでしょう。
木の上をふたりで見上げていました。
捕れたか
捕れなかったか
分かりませんが、
なつかしい光景で
しばらく眺めていました。

 

・梅雨明けや烏尿(ばり)する雲軽し  野衾