学術書を読む

 

ことし二月のことでしたが、
朝日新聞社主催のブックフェア「築地本マルシェ」において、
「学術書を読む――『専門』を超えた知を育む」
をテーマにした鼎談に
声をかけていただきました。
そのときの模様が
朝日新聞社のサイトにアップされましたので、
ご覧いただければ幸いです。
コチラ
対談、鼎談、講演の機会があるたび、
まえもって語りの準備をし、
レジュメをつくり、
本も数冊から
多いときは十数冊読んで臨みますが、
そのことがわたしにとりまして
とても勉強になります。
外の風に触れるうれしくありがたい機会です。

 

・稲刈りのにぎはひに来る雀かな  野衾

 

オイルマッサージ

 

家人がスリランカを旅し、
みやげに買ってきたオイルで
三日つづけてマッサージしてもらった。
首、肩、肩甲骨のあたりの凝りがほぐれなんとも気持ちよく、
だけでなく、
やたらぐっすりと眠れる。
AYURVEDICという単語も見えるから、
アーユルヴェーダの考え方に基づくということか。
観光客向けのものだとは思うが、
替えがたく気持ちよいのは間違いない。
ハマリそう!

 

・新涼の日記(にき)つく父の皺手(しわで)かな  野衾

 

変哲さんの好きな良寛句

 

俳優で芸能研究者として名を成した小沢昭一さんは、
俳人でもあり俳号は変哲。
『俳句で綴る変哲半生記』(岩波書店)
を読んでいましたら、
俳句はもちろんたのしく
滋味にあふれてもいるわけですが、
とちゅういくつか
俳句にまつわるエッセイが録されており、
かつて一世を風靡したラジオ番組
『小沢昭一の小沢昭一的こころ』の語り口
をほうふつとさせ、
なつかしくなりました。
変哲さん、
良寛さんの俳句が好きらしく、
いくつか紹介し、
肩の凝らない文を添えています。
良寛さんの句のなかで「私の最も愛する句」
として挙げているのは、
「柿もぎのきんたまさむし秋の風」
ははぁ。
きんたまねぇ。
いまみたいにズボンじゃないだろうから、
下から風がねぇ。
なるほど。
この句を好きだという変哲さん、
この句をつくった良寛さん、
どっちも好きだなぁ。

 

・秋の香と思へば灸のにほひかな  野衾

 

新涼

 

涼し、だけだと夏の季語ですが、
涼に新がつくと秋の季語。
いまがまさにそれかなぁと思います。
雲のかたちが夏とは異なり、
だけでなく、
流れる方向がちがっていたり、
空を舞台にして前で踊る雲あり、後ろで踊る雲あり。
目まで涼しくなる感じ。

 

・秋天より天狗現る気配あり  野衾

 

龍角散

 

タクシーの運転手との会話。
「地球環境がおかしくなったせいで体がついていきません」
「ほんとにそうですね。
わたしは咳がなかなか止まらないんです。熱はないんですが…。
お客さんを乗せて咳き込まないよう、いつもノド飴を舐めるようにしています」
「わたしもノドの不調がながくつづいています」
「そうですか。お客さんで多いですよ。そういう方」
「やっぱり。
そうだ。鍼灸の先生に教えてもらったんですが、
龍角散を試してみたらいかがですか」
「ゴホンといえばのアレですか?」
「そうです。わたしは秋田出身ですが、
あの薬は、かつて秋田藩の佐竹の殿様が喘息持ちだったらしく、
それを治すために御典医が開発したものだそうです」
「そうですか」
「中国人の間では神のクスリと称されているのだとか…」
「へ~」
「いや、鍼灸の先生の受け売りです」
「わたしも服んでみようかな」
「試してみてください。楽になると思いますよ」
「分かりました。いいお話をありがとうございました。
帰りにさっそくクリエイトで買います」

 

・雲の名を思ひ浮かぶる初秋かな  野衾

 

秋風

 

家が山の上にあり、
窓を開けると
ようやく涼しい風が入るようになりました。
夏がひどかっただけに
いっそう気持ちよく感じるのかもしれません。
週の天気予報を見ると、
最高気温がどの日も三十度を割っており、
いよいよ秋本番です。

 

・新涼の珈琲カップの白さかな  野衾

 

やれやれ

 

夜、窓を開けて寝ることさえできない日がありましたが、
おととい、きのうと、
窓を開け、
網戸状態にして眠りました。
よく眠れた気がします。
エアコンをつけたままよりマシ。
このごろ
天気予報をみる頻度が高くなりました。
日中の三十度超えは少々きつく
感じられ。
来週後半は
二十五、六度の予想ですから、
やっと
深呼吸ができそうです。
深呼吸の必要。

 

・階(きざはし)を上り下りする初秋かな  野衾