ベランダ菜園

 専務イシバシと総務イトウが、朝、待ち合わせをして種やら土やら鉢やらを買ってきた。わが社が入っている教育会館のベランダは、なんでだか分からぬがとても立派なベランダで、これまでも盆栽や観葉植物を置いて楽しんできたが、広々としており、まだまだもったいない。というようなことが社員一同の共通認識だから、ついに野菜の種を買ってきたのだろう。
 ふたり黙々と菜園事業にいそしんでいたが、振り返ってみれば(ベランダはわたしの背中側)おおおっ!! コンクリートの灰色を抑え、土と緑の畑ができているではないか。素晴らしい!!
 やっぱり緑はいいねえ! 緑があると気が休まるねえ! なんでなんだろうねえ! 感慨に耽りながら言葉が口をついて出る。すると専務イシバシが「田舎ものだからよ」ピシャリと言った。にべもない。
 それはともかく、まずは二十日大根(はつかだいこん)を植えたようだ。二十日で育つから名付けられたようだが実際はどうだろう。カブの形の赤い大根。予定としては、これからトマトやキュウリも植えるみたい。ちなみに、保土ヶ谷の愛ちゃんはハーブと金魚に余念がない。