骨人

 先日、寝転がって何気なくテレビを見ていたら、洋画家の小出楢重(こいで・ならしげ)が出てきたので、居ずまいを正して番組に見入った。テレビ東京「美の巨人たち」。画家の人生を一般の人にも分かりやすく興味深く取り上げてくれるので好きな番組だ。それに楢重の「Nの家族」が取り上げられていたのだ。Nは楢重。
 大阪生まれ大阪育ち、身長一五六センチ、体重五十キロに満たない小男(みずから骨人と称す)ながら「東の劉生、西の楢重」と呼ばれるようになった孤高の天才画家。特に彼の描く「支那寝台の女」など裸婦像が素晴らしく、番組では、日本女性の裸の美しさを描いたものとしてNo.1と称えていた。楢重に卑屈は似合わない。数年前、横浜そごうで「小出楢重展」があったが、そのとき「支那寝台の女」を初めて目の当たりにし、息を呑んだ。西洋の脚が長いばかりのヌードなど目じゃないと思った。
 番組に我らが小出龍太郎先生が出てきたので、ググッとさらにテレビに寄る。先生の背中には小社刊の本がズラリ。『文学にひそむ十字架』『小出楢重―光の憂鬱』『ちょっと、教養―20代女性のための芸術案内』アハハハハ… 先生、やるぅ〜♪ うれしいな。ありがたし!!