ホーキンスの靴を新たに二足買った(自分の足にフィットすることを発見して以来二足ずつ買うのが習わし)ものの、古いのをすぐに捨てる気になれず、中敷きを換えて履いていた。
 先日雨の日に履いて外へ出たら、足の裏がジトーッと濡れてきた。ああ、とうとう来たか! と思いながら、路上で確かめるわけにもいかず、とりあえず会社へ向かう。出社後に脱いで裏返してみたら、靴底がペラペラになり一箇所破れているではないか。はあ、ここから水が漏れていたのか。ここまで履けば充分だろう。こんなふうになってはもう捨てるしかない。わたしはしばし感慨にふけった。が、会社のこととて新しいのに履きかえるわけにもいかず、仕方がないので破れ目にガムテープを十字に貼ってその日家に着くまで急場をしのいだ。きのう、ついに新しい靴を下ろした。茶色い靴。