「交渉人 真下正義」

 ユースケ・サンタマリア演じる交渉人の真下正義が、何者かにのっとられた地下鉄の最新鋭実験車両事件に挑むというもの。「踊る大捜査線」から派生・発展した作品とのことだが、単体で十分たのしめる作品だと思う。テンポもよく、今の時代に起こりうる犯罪の恐ろしさがひしひしと伝わってくる。また、のっぺり無表情のユースケ・サンタマリアが、交渉人として犯人と巧みに交わす心理戦は、どこまでが計算で、どこからが本音だろうかと観ていて興味尽きず、いや、本音と思われた言説も実は交渉人としての計算のうちではなかったかと思わせるあたり、なかなかのもの。2時間7分があっという間。おもしろかった。
 さてこれから観ようと階段を登っているとき、見終わった前の客が結末についてコメントしながら出ていったのは反則。