大学をでたあと、横須賀にある私立の高校に勤めました。
わたしは政治経済と現代社会の科目を担当しましたが、三年生相手のゼミがあり、
土曜日の3・4時限目にあたっていて、割と自由につかうことができました。
一冊の本をテキストに読書会をやったことがあります。
ある年は、恩師である宮田光雄先生の『きみたちと現代 生きる意味を求めて』
だったかな。
またある年は、三木清さんの『人生論ノート』。
『人生論ノート』は二年つづけたかもしれません。
「〇〇について」という題で、みじかめのエッセイがつづられていた。
さて、あの本のなかで、
恋愛についてはどんなふうにかかれていたのかなと思い、しらべてみたら、
ありませんでした。
恋愛は、題目としてあがっていません。
そうか。そうだったか。
森信三さんの『修身教授録』にはあったかな…?
でも、本がいま手元にないし、いっか。
さて、恋愛について、本をたよりに書こうとしたらどうやら見当はずれだったようです。
となると、つたないじぶんの体験から、ということになりますが、
それをことばにするにはどうも無理がある。
なので、
上の本とはべつの本に依拠しつつ、恋愛にもいえるかな、
と思える文を引用します。
はじめてのことをしてみよう。
行ったことのない場所に行ってみる。
髪の毛に、かけたことがないほどのちりちりパーマをかけてみる。
食べたことのない異国のくだものを食べてみる。
つくったことのない料理をしてみる。
ずっと話したかった人に、話しかけてみる。
あまりにも、ちいさなスケールだけど、はじめてのことにむかうとき、
こわさといっしょに、心があたらしくひかるような気がする。
生きていることが、なにかうれしくなるのは、どうしてだろう。
(おーなり由子[著]『ひらがな暦 三六六日の絵ことば歳時記』2006年、新潮社、p.274)
おーなり由子さんのこの本、まいにち1ページずつ読んで二年目に入りました。
愛読書です。引用したのは、
8月26日「冒険の日」と題された文章です。恋愛も、
この文章にピッタリあてはまるような。
・木々の間の光揺れくる秋高し 野衾