ゲーテさんが晩年、60歳も年下の少女に恋をし求婚し断られ
(さもありなん)失恋したということは、
なにによってか忘れたけど、
どこかでインプットされ、話としては知っていました。
ただいま
ビルショフスキさんの『ゲーテ その生涯と作品』を読んでいて、
まさにそのエピソードについて記された箇所にさしかかったのですが、
ビルショフスキさんのコメントがおもしろく、
やがて悲しき具合であります。
青春は青春を要求する。
この老人がどれほどあがめられ、どれほど精神豊かで、どれほど敬愛に値する
としても、
愛する女性のなかに自分のすべてを見、彼女と一つに溶け合い、
一緒になってはしゃいだり、嘆息したり、悩んだり、
楽しんだりしながら、
同じ鼓動で人生を生き抜いていってくれる無名の純朴で愚鈍な青年
には及ばないのである。
(アルベルト・ビルショフスキ[著]高橋義孝・佐藤正樹[訳]『ゲーテ その生涯と作品』
岩波書店、1996年、p.1031)
そのとおりでしょうね。ゲーテさん、ふかく傷ついたようですが、
そういうところもふくめ、ゲーテさんはおもしろい。
恋話ではありませんが、
ゲーテさん、
オーストリアの宰相メッテルニヒ侯爵にも会っているんですね。
知らかなった!
・波に浮き波に揺られてかいつぶり 野衾