ハトくんのこと

 

ひとつきぐらい前からでしょうか。
ベランダから五メートルほど離れたところにある電線によくハトが来る
ようになりました。
わたしの家は崖の上にあり、
電柱は崖下に設置されていますから、
ハトのとまる電線の位置は、
ベランダに立つわたしの目線とほぼ同じ高さ。
昨日、
自宅PC周りの作業のため業者の方が来宅されたのですが、
わたしはその間、
かれにコーヒーを淹れて出すぐらいで、
ほかにすることもなく、
かといって、
本を読むのもなんとなく憚られ。
と、
おや?
またあのハトくんだ。
というわけで、
しばらくハトくんの様子を眺めていました。
ハトくんじっとしています。
途中、
向こうの三角屋根の家の手すりを台湾リスが走りました。
ハトくん、なおもじっとしてい。
しばらくすると、
尾羽をぐわっと広げました。二度、三度。
また、じっとしている。
今度は、
羽を浮かせ、頭を羽の下に持っていき、なにやら、
羽の下をつついているようにも見えます。
とこうしているうちに、
業者の方の作業も終りに近づいたようでしたが、
ふと、
ひょっとしてハトくん、体調があまりよろしくないのかな
という疑問がわいた。
なにもできないわけだけど、気になります。

 

・朋有りて昭和の歌と茸汁  野衾