中学生のときにお世話になった先生につねこセンセーがいます。
苗字で呼ばずに、なぜか名前で呼んでいた。
音楽の先生でした。
どこかで「イマジン」の楽譜を入手し、
つねこセンセーに持っていきピアノで弾いてもらった
ことがあったっけ。
なつかしい思い出です。
漢字で書くと恒子センセー。
同じ字、同じ読みの著者の本がでていて、
つねこセンセーを思い出しながら、
読み終えました。
世間では孤独死した人がいると、
やれ「可哀想」だとか「みじめだ」とかまわりの人が大騒ぎしてますが、
私はぜんぜんそんなふうに思いません。
私自身は、孤独死大いに結構やと思ってます。
なぜかというと、
孤独死するってことは、
誰にも迷惑かけずに死んだってこと。
家族に介護の苦労もかけず、
病院で医療費も使わず、一人でさっさと死んでいく。
こんなに立派で、スッキリした死に方は他にないのと違うやろか。
(中村恒子[著]奥田弘美[聞き書き]
『心に折り合いをつけて うまいことやる習慣』
すばる舎、2018年、p.181)
ちょっと目から鱗が落ちるような思いをしました。
孤独死というのは、だいたい悲観的、否定的
なニュアンスで取り上げられることが多いからです。
引用した箇所だけだと、
つよがっているようにも受け取られかねませんが、
奥田さんのていねいな聞き書きによって、
恒子先生の来し方を知り、
その都度の判断と生き方を読むと、ふかく納得するところがあります。
中村恒子さんは1929年生まれ。精神科のお医者さん。
奥田さんは内科のお医者さんだったそうですが、
恒子先生との出会いをきっかけに精神科に転科されたとのこと。
・田舎家の古びの卓や菊膾 野衾