友とあるく

 

先週土曜日、気が置けない友人六人で鎌倉を散策。
当初、建長寺から天園コースをあるく予定だったのですが、
雨に降られたので、急遽予定を変更し、
建長寺から切通しを通り、鶴岡八幡宮、さらに報国寺へ。
もどってこんどは鏑木清方記念美術館。
「秋の夜」の静謐よ。
こおろぎかな。
雨は降ったり止んだりで。
とちゅう昼食と、
ぶらり立ち寄ったところで、そうとう早めの晩餐を。
道々、だれからともなく、たのしいなぁ、
たのしいなぁの声が漏れる。
ほんとうに。
新型コロナのことがあって、いろいろ感じ、考えさせられたけど、
友と会うことが、こんなにも楽しく、
元気と生きる勇気がふつふつ湧いてくるものかを、
あらためて訓えられ、
実感した。
笑顔がかがやく。
世に『幸福論』というものがあり、
なるほどと感じ入ることもあるけれど、
実感として味わう友といる時間にとうてい及ばない。
内から光が満ちてくる。
いくら本を読んでも、
真理を探究しても、
これ以上のことはない気もする。
どの本を読み、どの本を読まなくても、
超えてすすむ必要などない。
ことほど左様に、
友と会うことは、何をしゃべっても好く、
しゃべらなくてもそれもまた好く、
ほんとうに、
年齢や職業に関係なく、
これがよろこびとたのしさの山頂と知った一日でした。

 

・振り向かず鬼灯鳴らし帰りけり  野衾