気流

 鎖骨を折って固定バンドで不如意な生活を送ってきて、そろそろ飽きてきたときのうは書いたけれど、この事故は意味のある事故であったと、強がりでなく思っている。てゆうか、わたしは、出会いも別れもアクシデントもトラブルも、大きい世界から見れば意味のあることで、自分にとって意味のないことなど一つもないという考えに共感し与する者だ。宗教は関係ない。そういう考えが割りと好きだし、今回のことで、ますますそう思えるようになった。
 固定バンドで暮らしたこの時間(まだ取れていないけど)いろいろなことを感じたり考えたりした。一番は自分という人間をいつもと違った視点で見られたことが大きかったと思う。飛行機が離陸したあと水平飛行に入るまでガタガタ揺れるように、激しい気流の中を飛んだ気がする。梅雨が明ける頃、固定バンドも外れる(だろう)。さてどんなパノラマが目の前に展開するか。こういう気分になれたことだってきっと意味がある。
 きのうはカメラマンの橋本照嵩さんと春風社十周年企画の夢を語り合った。