発情人物?

 知人の娘さんは小学三年生。持って帰った四字熟語の漢字テストの答案に「発じょう人物」と書かれてあった。ん? 発じょう人物。なんだ発じょう人物って。発情人物? 母はグッと笑いをこらえ、「これってもしかして問題は、とうじょうじんぶつ?」。娘、あっけらかんと「そう」。アハハハハ… 最高! 傑作! 君は天才! アハハハハ… 腹いてぇ。本人に問い質したところ、「登」の字の「豆」が難しいので「発」にしたとか。この自由なる発想。自由の気象。いいねぇ。担任の先生は×にしたらしいが、気転の素晴らしさは◎。元気がでるねぇ。
 むかし国語のテストに「じょうじゅ」を漢字にする問題が出た。「じょう」が「成」であることは分かったが「じゅ」がどうしても思い出せない。たしか「犬」みたいな字が右か左にあったはずだが、「犬」じゃねんだよな。なんだったけかなぁ。「犬」をもっとこう古風に歪めたというか、古めかしい字、ああか、こうか、こうか、ああか、ちがうなぁ。う〜ん、あああああああぁ、分からん! あきらめた。「成」の字も捨て漢字一字で「鮫」と書いて出した。なぜ「鮫」か。「じょうじゅ」が訛って「じょーず」=ジョーズ、スピルバーグ監督のヒット作『ジョーズ』は人食い鮫の話。だから「鮫」。ダジャレかよ。でも、この苦しまぎれの解答に当時の国語の先生は○をくれた。いい先生だった。