応答なしという応答

 

仕事でもプライベートでも、こちらの働きかけに対して返事がもらえないのは、
不安になるものです。
あとから、
返事をくださるのを、相手がただ単に忘れていただけ
と知る場合もありますけれど、
当の本人もよく分からない理由から返事しなかった、
というようなこともあるのでは。
むしろ、その方が多いかもしれません。
たとえば、
挨拶一つとっても同じことが言えそうです。
こちらが挨拶しているのに、相手から挨拶を返してもらえなければ、
あれ、どうしたのかな?
と感じることがあります。
そのひとの癖ということもあるでしょうが、
挨拶を返したくない、ということだってあるかもしれない。
また、ただなんとなく、
ということも。
この「ただなんとなく」が恐ろしい。
行為の理由を本人が分からないのに、他人が分かるはずがない。
いや。
本人が分からないことを、
他人だから気がつく、分かる、
ということがあるかもしれない。
返事がないという返事、
応答なしという形の応答、
それがもしかしたら一つの結論。
こころ静かに、よく考えたいと思います。

 

・綿虫や夢の光を連れ来る  野衾