最近、アタシが特に思うのは、“シビれる歌い手”
……特にニッポンの男性歌手に関しては、コレというのがなかなかいないよなぁ……と、
感じるのであります。
これぞっ!! と心酔する歌声に出逢えるなんて、めったにない事。
ましてや、
己のDNAが震撼するほどの歌い手に巡り逢える事は、
言わば“人生の宝物”を見つけるようなもの!!
生まれて初めてアタクシに、
「歌声にシビれる」どころか、
「その人の魂が乗り移る」ような経験をさせてくれたのは誰であったか……。
はい。
それは、前川清さんであります!!
(桑田佳祐『ポップス歌手の耐えられない軽さ』文藝春秋、2021年、p.216)
桑田さんのこの本、先日ここに引用した
「『勝手にシンドバッド』のイントロ「ラララ」が、
当時流行っていたスティービー・ワンダーの『Another Star』の「ラララ」を
ノリで拝借した」
には度肝を抜かれましたが、
年齢が近い(桑田さん、わたしより一つ上)こともあってか、
読んでいて、共感することが少なくない。
引用した前川清さんについての件など、ほんとに、まったく同感。
『長崎は今日も雨だった』が流行った頃、
わたしはまだ小学生。
桑田さん同様、シビれました。
桑田さんとちょっと違う印象もあります。
書いていないだけかもしれませんが。
それは、当時テレビを見ていて、
なんでこの人、物言わないんだろう?
って思ったこと。
そんで、
あるとき、ハッと気づいた!
そうか。
物言わないからカッコいいんだな。
そうだ。そうだ。
そうにちげーねー!!
浅はかなわたしは、すぐに真似しようと図り、学校へ行って、物言わないようにした。
そうしたら、豈図らんや、
「マモル(わたしの名前)、なした(どうした)? どごが(どこか)悪いのが?」
って。
そりゃそうだよな。
キャッキャキャッキャ、割と、はしゃぐほうだったのに、
いきなり物言わなくなったら、
そりゃ、どう考えたっておかしい。
まぁ、
子どもだったということで。
にしても、
それぐらい、デビューしたての前川さんは歌が上手く、声よく、すらっと背が高く、
物を言わずに(わたしにとっては、これが、この姿が最も)
カッコよかった。
しばらくして、
ええっ!!
こんなによくしゃべる人なの、
ってなりましたけど。
でも、相変らず、歌は上手く、
物を言うようになっても、カッコいいのでした。
藤圭子が惚れるのも分かる気がします。
きのう、テレビに出てた。
・ひかり放射噴き上がるごと枯葉かな 野衾