哲学者のかお

 

哲学の本はいたって難しく、
小説を読むように
スラスラとはいかないわけですが、
目の前のコップはほんとうに存在しているのだろうか、
なんて考えるから
あんなかおになるのか、
あんなかおだから
難しいことを考えるようになるのか、
そこのところが気になります。
はい。
わたしはハイデッガーのことを念頭に置いています。
四角くて、頑丈そうで、こわそう。
ハイデッガーの写真を見るたびに思い出す俳句があります。
それは、

 

こほろぎのこの一徹の貌を見よ

 

作者は山口青邨。
こおろぎも、ハイデッガーも、
思い込んだらひとすじの感じがします。
フッサールも一徹の感じ。

 

・半島を船一列や秋茜  野衾