びっくりぜんざい

 

保土ヶ谷橋交差点のちかくに「こけし」という名の菓子舗があり、
せんべい、おかき、あんみつなどを売っています。
帰宅途中、
このごろときどき寄るようになりました。
高齢の女性がいつも店番をしていて、
行くと、
いろいろ話を聞かせてくれます。
いわく、
店の歴史は63年、
もとは菓子舗でなくぜんざいを売っていた、
すぐちかくのいま工事をしている場所で
朝から大鍋で小豆を煮、
父は浜っ子、母は江戸っ子で、母はそれはきっぷが良かった、
その母はまた母に輪をかけて、
わたしなどとても足もとに及びません、
ぜんざいは、
ふつうの大きさでなく
びっくりぜんざいという名の特大のもの、
どんぶりで出していた、
繁盛していました、
当時市電が通っていて保土ヶ谷は終点、
美人コンテストがあったり、
たのしかった、
ほんとうに様変わりしました、
「こけし」は初代がお客様に可愛がってもらえるように
という願いを込めて付けたもの、
元気でがんばらないとと思っています…

 

・秋澄むや銀の雲ゆく伊良湖崎  野衾