きのうのように、とは

 

年齢を重ねることも新しい旅であるなぁと感じることしきり。
きのう、ふと、
二十代のときに勤めていた高校が今どうなっているだろうかと興味が湧き、
HPをひらいてみました。
動画で紹介される校舎、施設はとてもきれいで立派。
わたしがいたころも立派な校舎でしたが、
加えてゴージャスさが増したような。
それはともかく、
校舎の雰囲気が変ったことで、否が応でも距離が生まれたように思いますが、
しかし、
『遠い昨日、近い昔』(森村誠一)のことばどおり、
目を閉じれば、
「きのうのように」
は大げさだけれど、
とても四十年も前とは思えません。

 

さまざまの事おもひ出す桜かな

 

と詠んだ芭蕉の句がありますが、
いまじぶんの体験と重ねてみると、
また違った味わいが生じてき、
芭蕉の旅は、物狂おしさの放散でもあったかと。
わたしが当時よく通っていたジャズ喫茶の店にブルー・ノートがありました。
髭を生やした無口で頑固そうなオヤジさんがいました。
わたしはそこでウインナーコーヒーを頼むことが多かった。
あのお店、いまどうなっているだろう。
いろんな話をしたっけ。
顔。顔。

 

・孫に問ひ指し示す灯や吊鐘草  野衾