姿は見えねども

 

ひょんなことから俳句を始めるようになって十四年が経過、
何が変ったかといえば、
いちばんは、なんといっても、
季節を意識するようになったことでしょうか。
きのうの帰宅時、
うぐいすがいい声で鳴いていました。
春先、ホー、ホケホケ、
と、
いかにも自信なさげ、
慣らし運転のような具合で鳴いていたのに、
きのうは、
保土ヶ谷の谷にひびき渡る、
清冽とでも評したくなるような声。
その声に打たれ、
階段の途中、足を止めて振り返りましたが、
姿を見ることは叶わず。
が、
体をもとに戻すまでの間、
もう一声聴かせてくれました。
大サービス精神。

 

・交差点ビルも庁舎もさみだるる  野衾