装丁のこと

 

きのうは、仕掛かりの小説について著者と打ち合わせ。
ワード原稿の段階から数度読んできて、
わたしのなかで醸しだされてきた印象とイメージを著者に伝えました。
そうしながら、
イメージをことばで伝えることの難しさを改めて感じ、
同時に、
これが本づくりの醍醐味だとも。
テキストはどこまで行ってもテキスト
ですが、
ゆっくり読んでいるうちに、
文体とも連動しつつ、
いろんなイメージが湧いてきます。
ひかりの具合、湿度、匂い、音、窓から見える空の色まで、
たとえば。
そのイメージを著者に伝え、
同意を得られれば、
こんどはそれを装丁家に伝える。
装丁家は本の装丁をおこなう表現者ですから、
編集者のイメージはあくまで参考。
ことばでとことん伝えますが、
参考以上ではないとずっと思ってきたし、
今も思っている。
編集者のイメージを参考にしてもらいつつ、
装丁家がどんなイメージで装丁してくれるか、
そこのところが本当におもしろい!
装丁カンプを見、
ほ~、となったり、は~、となったり、
むむ、となったり。
そうか、
同じテキストを読んで、
こんなイメージが湧いたのか、
おっもしれー!!
そう思って眺めていると、
本づくりをとおして、
人といっしょにあることの喜びが湧いてくる。
つぎの本を作りたくなる。

 

・隕石の落下地点か井戸浚  野衾