芸文井川

 

わたしのふるさと秋田県井川町では、
年に一回、土地のひとたちの文章をあつめた文芸誌を発行しています。
昨年、
発行元である協会の会長さんから連絡があり、
拙著『父のふるさと 秋田往来』『鰰』
から転載させてほしい
とのことでした。
それが掲載された第45号がきのう会社に届きました。
下の写真がそれです。
表紙絵は伊藤孝之助というひとが昭和39年に描いた「井川二十五景」から。
わたしはこの方を知りませんが、
描かれた絵から
その場所がどこか、
そこをどんな気持ちで歩いていたか、
すぐにこころに浮かんできます。
ページをひらくと、
詩、俳句、短歌、随筆、協会の活動を紹介する文章など、
土から芽吹く山菜のごとく、
ことばたちがきらきら輝いています。
地貌季語という考え方があるようですが、
土地から生まれ、
季節季節の貌(かお)ともいえることばがこの冊子には息づいています。

 

・春かぞへ田仕事はかる農夫かな  野衾