お灸ファン

 

徒然草第百四十八段

 

四十以後の人、身に灸を加へて、三里を焼かざれば、上気の事あり。
必ず灸すべし。

 

兼好法師も灸をすえていたのでしょう。
上気とは、
のぼせること。
三里は、『おくのほそ道』の序文にもでてくる、
鍼灸でいうところの有名なツボ。
代田文誌の『沢田流聞書 鍼灸眞髄』(医道の日本社、1941年)
のなかに、
鍼の名人木村金次郎氏の説として、
以下の文章が紹介されています。
「三里は胃、脾、腎にきく。故に三里という。
里は理に通ずる。即ち三理である。
三里に鍼すると委中のコワバリがとれ、膀胱がよくなる。
即ち三里は先天、後天の気を養う。
これを以て元気衰えず、故に長命の灸という。」(p.266)
これは、
盲目の鍼名人木村氏の説を、
沢田健が弟子の代田文誌に話したもの。
木村氏と沢田先生の親交は深かったらしい。
マスク、手洗いと併せ、
免疫力、自然治癒力を高めるために、
手軽なお灸はいかがでしょうか。
三里には、
手の三里と足の三里がありますが、
ツボの位置は、
ネットで調べればすぐにでてきます。

 

・春宵や滑りゆく無言のタクシー  野衾