校正校閲

 言葉もて見えぬものあり花万朶
 著者から原稿をいただき、じっくり読みながら、文章と内容の気になるところをチェックしていく。著者が気づかなかったことを見つけ、調べたり指摘することも第一の読者たる編集者の仕事だ。
 時に、ぶつぶつ念仏でも唱えるようにゲラに向き合うこともある。
 再校、三校まで、早くて三ヶ月、平均して五ヶ月、半年ぐらいかかるだろうか。それ以上の場合もある。
 この過程を通して、だんだんと原稿のなかに潜むメッセージが形となって現れてくる。少しずつ彫っていくことで木の中の仏さまが姿を現すようなものかな。
 孤独な苦しい作業だけど、ぼんやり見えてくる姿に触れることは、この仕事の楽しい瞬間だ。

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