詩はいいな
・喜びて雨に流すや悲しみも
詩はいいな。
くどくど書いていないところが。
小説だと、
小説だから、
何がなにして何とやらと
説明しなければならない。
説明できているうちはいいけれど、
説明できないことだってある。
人に告ぐべきことの適わぬこともある。
好きなまど・みちおさんの詩に「どうして いつも」がある。
太陽
月
星
そして
雨
風
虹
やまびこ
ああ 一ばん ふるいものばかりが
どうして いつも こんなに
一ばん あたらしいのだろう
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詩はまた一つ一つが短いから、
引用するのに楽でいい。
スッと気持ちが添う。
無理して立って歩いて
要らぬことでも話してみた り
ときどきは
ぎごちなくなら ぬよう
笑ってゐる
梅雨の晴間の 月がぽっかり
でておりました
・しぐれゆく苦渋六月あと五日 野衾