なんでも

 背後より掠め空斬る親鴉
 俳句を始めたとなったら、口を突いて出る言葉がやたらと五・七・五になってしまう。ダンスを始めた人が普段の生活にあっても習いたてのステップを踏んでしまうようなものかもしれない。
 お盆休みを利用し秋田に帰ってきた。その印象を句にしたり、写真に撮ったりしてきたので、しばらくここにアップしていきたい。お付き合いいただければ幸いです。
 弟から聞いた話。家の近くで耳障りな声で鳴く鴉がいて、そいつが鳴くと飼い犬が怯える。そこで弟は道端から石を拾い、そいつ目掛けて投げ付けた。逃げるかと思いきや、バサバサと宙に舞い、どこからか小枝を見つけてきて嘴にくわえ、電柱の上から弟に向かいギリギリギリと、まるで歯軋りでもするかのように、小枝を食い千切って威嚇してきた。
 何度かそういうことがあったらしい。あるとき、弟が家の外へ出ると、風を斬るように背後から何かが襲ってきて、弟は咄嗟に身をかわす。突風のように過ぎたかたまりを見遣れば、あいつだった。攻撃は一度ならず二度までも。
 鴉は3月から6月が産卵期。だから、鴉は季語でないけれど、親鴉、また鴉の子なら夏の季語ということになる。
 帰郷せりあかつき鶏舎のこゑを聞く

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