見習いたい

 涼しさや一段ごとの秋を踏む
 きのうは気功の日。写真家の橋本さんがはるばる浦和からやって来た。まずは1日体験レッスン。初めてのこととて相当体にこたえるのか、さかんにア〜ッ!とかウ〜ッ!とかホ〜ッ!とか言いながらやっていた。
 帰りのホームでのこと。橋本さんは、わたしの知人のKさんに「俳句の先生は○○さんですか」と尋ねた。Kさんがながく俳句をされていることをわたしは前もって橋本さんに伝えていた。Kさんはとても驚き、「どうしてご存知なのですか」。「俳人の写真を多く撮ってきましたので。○○さんのこともよく知っています」。Kさんはさらに驚いた様子。「橋本さんも俳句をされるんですよ」と、わたしはKさんに言った。Kさんは大きく眼を見開き「まあ!」。
 同じホームだったが湘南新宿ラインの電車が先に到着し、橋本さんはシートに収まり手を振って帰っていった。程なく横須賀線の電車が滑りこんできた。お盆前なのに混雑は変わらず。
 保土ヶ谷駅に到着。エスカレーター前に並ぶ列の長さはいつも通り。ところがKさんの行動はいつもと違っていた。いつもなら娘さんと手をつなぎ長い列の後ろに並ぶはずなのに…。Kさんは長い列を見、娘さんの手を振りほどいて、あれよという間もなく階段に向かった。
 その後、保土ヶ谷橋へ向かうKさんの足取りは心なしか、いつもより軽そうに見えた。娘さんにそのことを質されたKさん曰く、朝から庭の草取りで汗を掻き、気功教室をどうしようかと思っていたけれど、そんなに休まずにできた。でも、くたびれた。そうしたら、橋本さんに○○先生のことを言われてびっくり。まさか俳句の話になるとは…。
 なるほど、そういうことだったのか!
 Kさん、今日は鎌倉で絵を描くらしい。9時集合だというから、もう電車に乗っている頃だろう。
 俳句好き膳より馳走の風薫る

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