パフパフ

 

 銀杏散るなか真っ直ぐにビーフカレー

さて今日はなにを書くかなとパソコンに向かって、
すっと書けることもあれば、そうでないときもあります。
うんうん唸っているうちに、
子供の頃のことがふっと思い浮かんだり…。
思い浮かんだり鼻かんだりラジバンダリ、っていうお笑いの人たち、
いつの間にか見なくなっちゃいましたね。
それはともかく。
同級生の親父さんで、パフパフと呼ばれている人がいました。
あれは、どれぐらいの範囲で言われていたのか分かりませんが、
少なくとも我が家では、それで通用していました。
「パフパフが今日来て、茶を飲んでしばらく話して行ったよ」とか、
「パフパフは字が上手くてな。○○なんか揮毫してもらったはずだ」
「さっきパフパフが通ったぞ。パフパフいわせて…」
三番目の例でなんとなく想像できたかもしれませんが、
パフパフは50ccのバイクに付いている
クラクション代わりのゴムのラッパのことであり、
その音がパフパフパフパフとユニークな音なので、
いつの間にか、それを鳴らす人のことをも
パフパフと呼ぶようになったのでした。
パフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフ
(あれは、おとぼけの我が父が命名したものではないかと
密かに疑っています)
パフパフは背骨が釘のように曲がっていました。
わたしは、50ccのバイクで走るパフパフを
いろんなところで目にしました。
大きくなって本を読むようになり、
パトリック・ジュースキントの『ゾマーさんのこと』を読んだとき、
なんでだか分かりませんが、
わたしはすぐにパフパフを思い出しました。
主人公の少年がゾマーさんが気になり見ている眼差しに、
パフパフを見ていたわたしの少年時代が重なったのかもしれません。
パフパフの娘とわたしは同級生で、
わたしはそれと知らずに水疱瘡を彼女にうつしたことがありました。

 銀杏敷き浮かれ跳び出づピエロかな

20091016144855