安心の川

 

・春の夢さきちゃんと行くマラソンだ

物心ついてから
小学校低学年ぐらいだろうか
祖父と祖母に
はさまれて 寝ていた
右にころがれば 祖父
左にころがれば 祖母
夏ともなれば
蚊帳まで吊って
しずかな祭りの始まりです

ほー ほー ほーたるこい

祖父の匂いは 藁と馬
祖母の匂いは 山と雨
わたしは
安心の川の中にいて
気がかりなことは毛ほどもなかった
右にころがれば 祖父
左にころがれば 祖母

いまは二人
小さい写真に納まり
わたしの頭の上にいます

今宵も雨が降るわいな

・春の風土の中から芽吹かせよ  野衾

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。