火だるまの

 

・七五三晴れ着の笑みの前歯無し

ひらのこぼさんの俳句入門書は、
肩が凝らず、
わかりやすく、
面白いので
これまで数冊読んできましたが、
いままた『俳句開眼100の名言』を読んでいます。
むずかしい翻訳のぶっとい本を読み
肩がガッチガチになった時など、
一服の清涼剤として最適です。
きのうの夕刻、
また肩が凝ってきましたから、
重い翻訳書を傍らに置き、
『俳句開眼~』を手に取り、
栞のところから読み始めると、
秋元不死男の
こんな句が紹介されていて、
思わず声を出し笑ってしまいました。

○火だるまの秋刀魚を妻が食はせけり

焦げすぎの~とか、
焼けすぎた、
ではなく、
火だるまの。
ぼわっぼわっと炎まで見えるよう。
火だるまになった秋刀魚
を眼にしたときの
作者の貌まで目に浮かびます。

・吟行や山を粧ふ友のこゑ  野衾