しべぶとん

 

テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』を、ちゃんと見たことはなかったのですが、
としを重ねるにつれ、
児童文学の古典とされているものを読みたくなることがあり、
そうだ、『ハイジ』をまだ読んでいなかった、
と気づき、
ヨハンナ・シュピーリさんの『ハイジ』を読みました。
福音館古典童話シリーズのなかの一冊で、
訳者は矢川澄子さん。
としをとり、涙腺が弱くなったせいか、500ページある本の中ほどから、
ちょくちょく目頭が熱くなり、
ときに嗚咽をもらしたりし、家人が外出していて、
よかった。
アニメと重なるところもありますが、
そうか、もともとはこんな話だったのかと思いました。
聖書とキリスト教が色濃くでている物語でした。
ところで、話のなかに「ほし草ベッド」がでてきます。
ハイジは、
いいにおいのする干し草ベッドが大好き。
わたしは、すぐに、
子供のころ、祖父母といっしょに寝ていた部屋を思い出しました。
干し草ベッドならぬしべぶとん。
藁のしべをおおきな袋に詰め込んであり、
からだを横たえるまえの真新しいしべぶとんは、
高さが40センチぐらいあったんじゃないでしょうか。
和式ベッド。
藁のいいにおいがして、
しべぶとんにダイブした覚えがあります。
わたしの右が祖父、左が祖母。
きらきら、ふわふわの思い出です。

 

・卒業や自転車廊下キリツ!レイ!  野衾