春の色

 

土曜日から日曜日にかけ秋田に帰省しました。
さむさが苦手なわたしですが、二日間とも、さほど寒くなく、しのぎやすい
ふるさとへの旅になりました。
いつも新幹線を利用するのですが、
新幹線のたのしみのひとつに、
JR東日本発行の新幹線車内サービス誌『トランヴェール』があります。
座席シートの背中のポケットに入っています。
往きの土曜日は、
ちょうど三月一日でしたので、
三月号を初日に手にすることになり、よけい、旅ごころを誘われます。
巻頭のエッセイは柚月裕子さん。
タイトルは「春色いろいろ」。
知人と旅をした思い出がつづられていました。
桜のピンクだけでなく、
ひとによって、
ほかの色をイメージすることもある。
春色いろいろ。
あるかたが、じぶんにとって春の色といえば、
白と茶と青だと。
雪国育ちなので、残雪の白、雪が解けだし土が見えてくる、その茶色、
それと空の青。
ああ、わたしもおんなじ、と思いました。
さらにいえば、茶色の土は、
だんだん乾いて、白茶けた色に変っていき、
そうなると、
自転車を思い、キャッチボールを思い、化石と土器の森を思い、
なにして遊ぼうのこころがもたげてきて、
わくわくしてくるのです。
そういう春がまためぐってきます。

 

・春風や馬糞粉々宙に舞ふ  野衾