漢字と平仮名

 

パソコンやスマホを使うようになってから、機械が勝手に判断し漢字に変換して
くれますので、
その漢字で合っているかどうかさえ間違わなければ、
けっこうな数の漢字を使って、文章を入力することになります。
しかし、
書いたあとで読み直したときに、
漢字が多いと、どうも自分でない気がする。
漢字が多いと、
ものを知っている感がつよくなって、自分が入力しているのに、
だんだんそこに現れる文章を見て緊張する具合。
それと、面で見たとき、黒いし、ごつい。
黒黒していて、厳めしい。
いけないいけない。
というふうで、
漢字でなく平仮名にすることにより、自分を取り戻す、
といったらいいでしょうか。
なるべく「です・ます調」で入力するのも、
そのこころかと思います。
ただ、
平仮名が多いと、それはそれで、自分でない感じがし出して、
けっきょく、
こんな感じかなぁ、
というところのバランスに落ちつく。
そういうふうに、いまも、なっていると思います。
なので、
この単語がどうして平仮名表記なの?
と訊かれても、
んー、なんとなく、と答えるしかありません。
ひとかたまりの文章で、
あるところは漢字、
べつのところは平仮名という場合もあるかもしれない。
きのう平仮名、きょう漢字、
とか。
気分ですかね。
文章を入力するとき、
その日その時の気分を消したくない。
きょうのこの文で言うと、
「つかう」を漢字にするか、平仮名にするか、
ちょっと迷います。

 

・ことばより空の青さにあくがるる  野衾