Archives : 6月, 2012

紙にできること

 

・夢心地に冷や水浴びせ大百足虫

本日、夜8時から弊社事務所でトークイベントを行います。
今回のゲストは、王子製紙株式会社
新事業・新製品開発センターマネージャーの
鈴木貴さんです。
昨日、
王子製紙さんから荷物が届きました。
なかは素敵な紙の見本帖。
本日ご出席くださるお客様先着40名にかぎり、
王子製紙オリジナル特製見本帖をプレゼント
(下の写真をご覧ください)いたします。
日本人は古来、
紙になじんできました。
子どもも大人も、日本人は紙が好きです。
『源氏物語』を読むと、
紙選びにその人のセンスが現れるとされ、
たとえば、
恋の歌を書く紙と
消息を伝える手紙文を書く紙では、
おのずからちがっています。
『源氏物語』に登場する末摘花は、
光源氏へ送った歌が
陸奥紙(みちのくがみ)に書かれてあり、
源氏に苦笑されます。
陸奥紙はふつう手紙を書くための厚い紙です。
紙にこめられた日本人の感性を味わい、
紙の現在、
未来について考えるために、
ひとときゲストのお話に耳を傾けてみませんか。

●日時 本日20時~
●場所 春風社
●参加費 1000円

・大百足虫アリが百匹繋がれり  野衾

おもひいで

 

・そろそろか胡坐瞑想梅雨の明け

『鬼平犯科帳』のなかに、
若いときの無茶や恋は年取ってから思い出すのに、
都合がいいだか、味があるだか、
とにかく、
なかなかいいものだよというようなことを
長谷川平蔵が語る場面が
たしかあったと記憶しています。
ひととの出会いは、
時間がたつとがっかりすることがあり、
それは相手だってそうでしょうから、
お互い様で何をか言わんやなのですが、
そうであればこそ、
忘れられない思い出がいくつかあり、
場所をとらず、
重さがなく、
ひとに迷惑もかけないので、
ふと浮かんだときは、
あわてて押し遣ったりせずに、
静かにながめ、
季節の味を楽しむようにしています。
こころが騒ぐことも最早ないし。
今日から「若菜」に入ります。

・面接の娘眩しく眼を逸らす  野衾

生かさず殺さず

 

・雨なれば欧陽菲菲も歌ひたり

昨日顧問税理士の先生がいらっしゃいました。
月一度の訪問を楽しみにしています。
このごろつくづく会社経営は難しいと感じていますから、
先生に今の状況をいろいろ尋ねます。
つたないわたしの意見も言います。
消費増税についていえば、
遅かれ早かれ上がるでしょう。
もはやあきらめています。
事業仕分けを本気で取り組み、
だれが見ても納得のいくものであれば、
増税についても見方は変わったと思います。
が、
あんな下らぬパフォーマンスを見せられ、
むしろいかに無駄が多いか、
その片鱗を示されて、
増税已む無しと言われてもだれが納得するものか。
不退転の決意とほざくあの面を目にするたび、
張り倒してやりたくなる。
増税をしないと約束して政権をとったくせに、
喉元すぎれば熱さを忘れるの類よろしく、
増税推進論者の泥鰌を首相に据えた時点で、
はっきりとした裏切りではないか。
なにが不退転だバカヤロー!!
腹がだんだん煮えくり返ってきたぞ。
眼がだんだん血走ってきたぞ千葉真一。
ダジャレも出ようじゃないか。
くそっ。
小さいながら会社を経営していて感じるのは、
中小零細企業にとって、
日本の税法はまったくもって
生かさず殺さずの愚法、
あいつらにとっての良法であるということです。
やる気をなくすよ。

写真は、りなちゃん作。

・梅雨なれど東の空の茜色  野衾

つ、ついに

 

・雨なれば三善英史を口ずさむ

昨日、
二〇一二年六月二五日、
金沢八景駅で京浜急行上り普通電車に乗ったところ、
ミル貝のように脚を伸ばした野球少年から、
席を譲られました。
人生初。
お礼を言い、
丁重にお断りし、
わたしは立ち続けました。
春風社から本を出している著者で、
電車内で初めて席を譲られ、
三日寝つきが悪かったという方もいらっしゃいますが、
きのうは酒を飲んだせいもあってか、
わたしは別にそんなことはありませんでした。
席を譲られたのも、
わたし一人だったらどうだったか分からないと、
自分を慰めています。
実は、
事が起こったのは、
専務イシバシと二人で横浜市立大学へ行った帰りでした。
電車に乗ったとき、
端っこの座席が一つだけ空いており、
イシバシに座るように言いました。
イシバシがシートに座って間もなく、
ミル貝の脚の野球少年が立ちましたから、
わたしとイシバシを夫婦連れとでも思ったか、
少なくとも他人同士ではないと感じて、
それならば、
一人が座ってもう一人が立っているのは気の毒と、
心のやさしい少年は席を譲るべく
立ち上がったのかもしれません。
ま、
そんなふうに思考をめぐらすところを自ら分析すれば、
席を譲られたことが
いささかショックであったことの証拠でしょうか。
いずれにしても、
電車内で初めて席を譲られた記念の日として
記憶にとどめておこうと思います。

・勘違い電車降りるもまた乗った  野衾

『イリアス』と『北斗の拳』

 

・肩凝って鍼灸するもまた凝った

けして笑い上戸ではないのですが、
岩波文庫の『イリアス』(下)
を電車の中で読んでいたら、
思わず声が出てしまいました。
一四七ページ。
「御者は曲芸師の如くもんどり打って頑丈な座席から下へ落ち、
命は骨を置き去りにした。」
神も人も一緒くたになっての壮大なドラマ、
一大叙事詩であるとはいえ、
『マハーバーラタ』のときも感じましたが、
今の感覚からすると、
表現が大げさというか、
比喩の度が過ぎて滑稽な気がします。
上の「命は骨を置き去りにした」を読み、
プッとなったとき、
ケンシロウの
「お前はもう死んでいる」を思い出しました。
『北斗の拳』を寿司屋のテレビで初めて見、
あのセリフを初めて聞いたとき、
口に含んでいたマグロが危なく
外へ飛び出しそうになりました。

・南明けこちら本格梅雨となり  野衾

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。