一日静か

 

・干し鮎の黄緑食す二人酒

電話も鳴らず、
来客もなく、
宅配便のお兄さんが来る時間でもなく、
シーンと、
人が居るのかいないのか、
わからないぐらい静かの時があります。
きのうがまさにそうでした。
なんともいえず心地よい。
寺院のなかにいるようです。
仕事も、
自分にできることを精一杯
すればいいのだと、
垂直に
祈りたくなるような時間が降ります。
お蚕さんが桑の葉を食むように、
紙に印字された文字をゆっくりと味わい、
考え、
ぶれを直していきます。
秋田では、
雨が降らなければいけないこの時期に、
雨が降らずに困っていると、
父から電話がありました。

・紫陽花や雨に色あり寺の鐘  野衾