『イリアス』と『北斗の拳』

 

・肩凝って鍼灸するもまた凝った

けして笑い上戸ではないのですが、
岩波文庫の『イリアス』(下)
を電車の中で読んでいたら、
思わず声が出てしまいました。
一四七ページ。
「御者は曲芸師の如くもんどり打って頑丈な座席から下へ落ち、
命は骨を置き去りにした。」
神も人も一緒くたになっての壮大なドラマ、
一大叙事詩であるとはいえ、
『マハーバーラタ』のときも感じましたが、
今の感覚からすると、
表現が大げさというか、
比喩の度が過ぎて滑稽な気がします。
上の「命は骨を置き去りにした」を読み、
プッとなったとき、
ケンシロウの
「お前はもう死んでいる」を思い出しました。
『北斗の拳』を寿司屋のテレビで初めて見、
あのセリフを初めて聞いたとき、
口に含んでいたマグロが危なく
外へ飛び出しそうになりました。

・南明けこちら本格梅雨となり  野衾