おもひいで

 

・そろそろか胡坐瞑想梅雨の明け

『鬼平犯科帳』のなかに、
若いときの無茶や恋は年取ってから思い出すのに、
都合がいいだか、味があるだか、
とにかく、
なかなかいいものだよというようなことを
長谷川平蔵が語る場面が
たしかあったと記憶しています。
ひととの出会いは、
時間がたつとがっかりすることがあり、
それは相手だってそうでしょうから、
お互い様で何をか言わんやなのですが、
そうであればこそ、
忘れられない思い出がいくつかあり、
場所をとらず、
重さがなく、
ひとに迷惑もかけないので、
ふと浮かんだときは、
あわてて押し遣ったりせずに、
静かにながめ、
季節の味を楽しむようにしています。
こころが騒ぐことも最早ないし。
今日から「若菜」に入ります。

・面接の娘眩しく眼を逸らす  野衾