下北沢

 

・六月の雨の隙間に活動す

用事があって、
下北沢まで行ってきました。
大事な会議を終え、
仙台からいらした先生といっしょに
駅に向かいましたが、
方向音痴のわたしは、
どっちがどっちなのかさっぱり分かりません。
かろうじて、
走る電車の姿が見えましたから、
おおむね間違ってはいないようでした。
道端にたたずんでいる
華やぐ若い女性に駅への道を尋ねたところ、
二人顔を見合わせ、
うんともすんともさあとも言いません。
こりゃ駄目だとあきらめお礼を言い、
少し歩いて今度は初老の、
夫婦と思われる二人連れの男性に声をかけました。
すると、
一瞬キョトンとされ、
「下北沢で下北沢の駅を訊かれて驚いた」。
ここは、
若者がぶらぶら楽しみながら歩く街なのか、
用事を済ませまっすぐ帰る人は少ないのかもしれません。
わたしも先生も、
少々浮いているような気がしました。
道を教えてくれた男性の指示通り歩き、
ほどなく下北沢の駅まで無事にたどり着きました。

・会議終へすっきりかんの麦茶かな  野衾