夜半(よわ)過ぎて獣のなごり猫の恋
男鹿に嫁いだおばさんから電話があった。ヤクルトにまつわる祖父の話でひとしきり盛り上がった後、おばさんは寒雀のエピソードを話してくれた。
今は法律で禁止されたのだろうが、わたしが子供の頃は、空気銃で雀をよく捕った。もちろん、子供のわたしが扱えるわけはない。父の弟が二人いて、二人ともよく空気銃を操った。わたしや弟は、猟犬のように、おじさんの後をくっついて歩き、撃ち捕った雀を拾った。
おばさんが教えてくれたエピソードとは、捕った雀の毛をむしり、砂糖醤油で焼いて食べさせてくれるのは祖父の役目だったが、いちばん美味しい胸肉は、孫のわたしや弟の口に入り、おばさんや、おばさんのすぐ下の敏子おばさんには、気持ちの悪い脳みそが入った頭や首や尻などが廻ってきた。孫にはかなわない…。
この季節になると、思い出すそうだ。
撃ち捕りて食いも食ったり寒雀