Archives : 3月, 2008

フルムーン

 夢うつつ入れ替わりたる桜かな
 ピナ・バウシュヴッパタール舞踊団の公演「フルムーン」を見た。
 舞台に大量の雨が降り、それが川となり、流れていく。行く川の流れは絶えずして…。愚かしくも可愛い人間。遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん…。そんな古風な言葉が脳裏をかすめる。
 生きていることの切なさ、喜び、哀しさ、互いの理解の困難さを感じながら、それでも、OK!と告げられている気がした。
 石畳雨に花びら散りて咲き

47f0166816fd7-080329_2017~0001.jpg

 霞立ち旗日に旗の揺れてをり
 日本で本を数冊出しているアメリカ人の作家から問い合わせのメールがありました。語学が堪能なナイ2君に英語で返事を書いてもらい送信、めでたしめでたし。
 この「よもやま日記」、どこで読まれているかわかりません。世界六十億のよもやまファンの皆さん、こんにちはー! ってか。
 冗談はさておき、そのアメリカ人の作家さんですが、この日記にこのごろ何度か登場したりなちゃんを、わたしの娘と勘違いしたようでした。勘違いして、ずいぶん褒めていただきました。
 なんの説明もなく、ポコッと写真だけ載っているわけですから、勘違いしても当然です。
 りなちゃんは、保土ヶ谷の自宅の近くのお子さんで、天才です。なにがって、まだ未分化ですが、ただただ天才なんです。間違いありません。
 そのりなちゃんが、わたしの娘!! うれしい勘違いで、一日ホコッとした気分でした。りなちゃん、ありがとう。いや、アメリカの作家さん、ありがとう。

47ec21a2b8452-080327_0905~0001.jpg

ダスキン

 奥山のぼうと霞んで花粉かな
 二週間無料でお使いくださいということで、大小二つのモップを置いていきました。
 首のところがカクンと折れ曲がるので、とても便利!! 蛍光灯の傘や冷蔵庫の下、オーディオの後ろをモップで撫でると、あ〜らら、こんなに埃が積もっていたのかと、面白いように取れます。テレビでコマーシャルしている通りです。
 花粉症やハウスダストが花盛りの今、ダスキンの利益はますます上がるでしょうね。会社もしぶとくやっていれば、世の中の風向きが変わって好調になるという、いい例かもしれません。
 ブルーベリーアイ、ウィルコムにしても、好調な企業はそれだけ努力しているということでしょう。
 沈丁花なにやら哀しき香りせり

47eacfd0658ad-080326_1524~0001.jpg

馬糞の話

 ひくひくと赤子泣くごと花粉症
 男鹿に嫁いだ叔母さんから聞いた話。
 叔母さんが小学校時代、家に帰ってくる途中、学校に通っていない智恵遅れの男(わたしの近所に智恵遅れの男が二人いて、一人は大人しく、よく坂道でスピードを落としたバスのバンパーにつかまって走っていました。もう一人のほうは少し乱暴者のようでした。叔母さんの逸話は乱暴者のほうです)が、馬糞の上に座り、馬糞を千切っては投げ千切っては投げしてきたというのです。
 今、書きながら思い出したのですが、あれは、叔母さんが小学校時代のことではなく、高校生ぐらいの時だったかもしれません。ああ怖かった怖かったと言って帰ってきて話したのを聞いたような気がしてきました。思い出というのは変ですね。いずれにしても、まだお嫁に行く前のことです。
 花粉症ハゲまで痒くなりにけり

47e97dab8bae5-080319_1938~0001.jpg

気流

 春風を孕み洟垂れ又三郎
 ガラガラっと音がして、向こうの車輛からこちらの車輛へ移ってきた、30代でしょうか、男の人がありました。ドアの近くに座っていた人たちは一斉に眼を上げました。
 男はドアを閉めずにそのまま真っ直ぐ車輛の端まで歩いていきました。わたしもつられて、男の移動するラインを飛行機雲を追いかけるように眼で追いました。
 男が立ち止まったのを確認し、首を元の位置に戻すと、そばの人たちも同じように眼で追っていたのか、ほぼ同時に元の姿勢に戻ったようでした。
 気が流れ、気が収まったようで、ちょっと面白かったです。

47e82e0d43b88-080323_1318~0001.jpg
Archives

You are currently browsing the 港町横濱よもやま日記 blog archives for 3月, 2008.

三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

2008年3月
« 2月   4月 »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  
過去の日記
最近のコメント
三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。