きなきな

 泥の雪溶けて乾いて埃立ち
 詩人・俳人の加藤郁乎さんからお手紙をいただいた。お願いしてあった目録新聞用の俳句五句を早々に送ってくださったのだ。
 原稿用紙に堂々たる筆文字で記されている。その一句に、きなきなということばがあった。初めて見ることばだ。
 流麗な文字を読み違えているのだろうか。さっそく大辞林をひらいてみる。
 きなきな。(副)思い悩むさま。
 へ〜。そうか。きなきな。きなきな。きなきな。
 声に出して言ってみると、悩むこころと体の状態を表して過不足ないような気になってくるから不思議だ。
 ふきのとうまだかと登る丘険し

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