あかねさんを悼む

 

矢萩多聞さんのお母さまで、
アジアの輸入雑貨店ラヤ・サクラヤのオーナー矢萩あかねさんが、
今月九日、
脳血栓のためインドの地で亡くなりました。
七十歳でした。
春風社を立ち上げる前、
ショーウインドーに置かれていた木彫りのガネーシャ像に
ひかれるようにして入ったのが
そもそもの始まりでした。
多聞さんにも
そのお店で出会いました。
多聞さんはもとより、
あかねさんとも
ずっとながくお付き合いさせていただきました。
今月九月一日に
春風社にてトークイベントをおこなった際、
あかねさんはご夫婦で参加され、
そのとき話したのが最後になりました。
あかねさんのクックっとくすぐったそうに笑う声、
お茶飲んでいきませんか、
あらもう帰っちゃうの、
また寄ってください、
ゆっくり
ぽつぽつと話すあの声と語り口が
いまも耳に残っています。
こうして書いていると、
あ~ら、みうらさん、
うそよ~
うそに決まってるじゃない、
……………
温かいあの声を聴けなくなったということが
いまだに信じられません。
ガネーシャは商売の神様でもあります。
創業の地である保土ヶ谷の拙宅の玄関にいまもあります。
あかねさんのご冥福をお祈りします。