歯科衛生士

 

三か月に一度の歯科検診に行ってきました。
これまでずうっと朝いちばんで診てもらっていたのですが、
きのうは十二時ちょうどの予約。
五分前に医院について待っていると、
ほどなく声をかけられ
診察室のなかへ。
「三番目の席にお座りください」
いつもとちがう歯科衛生士。声がかぼそい。
彼女に診てもらうのは初めてになります。
指定された席につき備え付けの紙コップでうがいをすること二度、三度。
と、
「倒します」と彼女。
「はい」とわたし。
目を閉じてしばし深呼吸。
「赤いのが付かないようにクリームを塗っていきます」
素直に「はい」
「開けてください」
あくまでも素直に「はい」
「え!?」
「はい?」
「いや。目でなく口を開けてください」
「あ!」
素直さをアピールするのに
気をとられ、
あほなことをやらかした。
あわてて大きく口をひらく。
「それだと診づらいので少しゆるめてください」
しょげて「はい」
以後はスムーズに運びましたが、
いつもの慣れた歯科衛生士でなかった
こともあり、
呼吸がイマイチ合わないというか…。
にしても、
「開けてください」と告げて、
患者が目を開けたのには
彼女もびっくり
だったかもしれず。

 

・朝ぼらけ酷暑のなかの鳩茫茫  野衾