中学から高校にかけて、吉田拓郎の歌をよく聴いていました。
聴いていた、というより、ラジオからよく聞こえてきた。
それでいつの間にか好きになっていた、というところでしょうか。
♪浴衣のきみは尾花(すすき)の簪(かんざし)ではじまる「旅の宿」なんかは、
自転車に乗りながら、鼻歌を口ずさんでいました。
ちょっと投げやりな歌い方と、あの声。
「結婚しようよ」もわりと口ずさんだかな。
とまれ拓郎の歌は、わたしの場合、ラジオをとおしてでした。
レコードを買ったことはありません。
それからしばらくして。
熱狂的なファンはわたしのちかくにもいて、「今日までそして明日から」とか
「人生を語らず」をカラオケで歌う知人がいました。
というようなことだったのに、
あるとき、ある歌を聴いて、衝撃が走った。
「アジアの片隅で」
高校の教員を辞めようとおもった時期とかさなっていて、よく覚えています。
くり返し何十回、いや、何百回と聴きました。
そのたびにこころをふるわせました。
間奏のところのギターのうねるような音がまたなんともいえなく、いい!
ということで、
「アジアの片隅で」もわたしにとりまして、
かけがえのない歌であります。
・秋の野はスローモーション音も無し 野衾

