わたしもモーツァルトを聴いてみた。モーツァルトとなれば、
世にレコードもCDも多くあり、
なにからどう聴けばいいのか、おそれをなしているような時期がありました。
小林秀雄の『モオツァルト』をはじめとし本も多いし。
そういうたぐいの本を読むと、
それが聴き方のお手本みたいな気にもなり、
そんなふうには聴こえてこないなぁ、みたいな。
ということでまずはピアノ・ソナタから。
結局、ひらきなおるような気分のときに出合ったのがリリー・クラウスでした。
ライナーノーツだったか、
あるいは本のなかにたしか「若鮎のような」
という比喩が使われていたとおもうのですが、
それは、
わたしが感じたところと近い気もした。
『リリー・クラウスの芸術』として発売されているシリーズものを購入し、
気に入って、ずいぶん聴き込みました。
するとまた、どんな人生を送られた方なのかなと、
いつものクセがでて、
多胡吉郎さんの『リリー、モーツァルトを弾いて下さい』(河出書房新社)
を読みました。
読んでみて、書名の意味をふかく納得。
・秋色や模型飛行機峪を越ゆ 野衾

