春日

 

きのうは、三か月に一度の定期検診の日。通院の帰りにタクシーを利用しました。
たまたま、割と利用するタクシー会社のクルマで、
それと、
前日とは打って変って、とても気持ちのいい天気でしたので、
つい、
「きょうはいい天気ですねー」と話しかけました。
「そうですねー。きのうと違って、きょうは春らしい、気持ちのいい日です」
と運転手。
さらに、
「さきほど乗られたお客さまも、クリニックの帰りでしたが、
自宅まで、歩けば五分とかからない距離だそうですけれど、
タクシーを利用して下さり、
どこでもいいので、少し走ってもらえないですか、とのことでした。
保土ヶ谷公園とか、景色の良さそうなところを思い浮かべ、
思いつくまま、
クルマを走らせました。
長崎生まれだそうで、
長崎も坂が多いけれど、横浜も坂が多い、
ふるさとを思い出しますと、おっしゃっていました。
ご自宅の前で降りられましたが、
バックミラー越しに見ると、
お辞儀をされ、ずっと手を振っていてくださいました…」
「そうでしたか…」
どんなにか喜ばしく、ありがたく、うれしい一日だったかと、
想像された。

 

・春寒し貨物列車の軋むかな  野衾